教わらないことにもメリットはある
人から教わってその通りに実践し、成果を出す。
これ以上なく、素晴らしいことだと思いますよね。確かにそのやり方で成果は出ます。しかし、次の2つの問題点を抱えています。それは、
「成果は頭打ちする」
「飽きる」
というものです。私は肥後庵で起業する時にコンサルをつけました。2年ほど、とにかくいう通り手とり足とりまるで奴隷になったように動き回ることで、満足のいくところにはたどり着けました。が、2年間、必死に実践したことで「オレがやってほしいことは、みんなやり尽くしてしまったね(笑)」と言うのです。
結局、そのコンサルとはお別れし、次の方にお世話になることになりました。言うなれば、初心者講座の過程を終えて、中級者講座の先生にお世話になるという感じでしょうか。そうやって、コンサルの先生は「変遷」していきます。そしてやがて、先生から教わるフェーズは終わり、自分で自由にビジネスで羽ばたいていく、そんな段階が訪れるでしょう。そうなったら先生から卒業するときなのです。
で、言いたいことの本質はここからです。問題は2点目の「飽きる」ということです。最初は満足します。そりゃ目的を達成したら、最高に気持ちのいいものですからね。しかし、成果が出る過程でやっぱり、
「じゃあこれをやったらどうなるんだろう?」
「先生に教わっていない、新たなこれをやると楽しいかも!?」
と欲が出てきます。「誰からも教わらず、ネットにも一切それについての情報が出てこない」という事を自分で試しにやってみる…これは、成果が出るかはさておき、ものすごく楽しいことです。最初から我流でやることは良いとは思えません。一部の能力が高い人は試行錯誤の末に正しいやり方を見出しますが、多くは失敗するとあっさり諦めてしまいます。ですので、最初は先生を付け、とにかく成果を出すことにフォーカスするべきだと思うのです。
しかし、ある程度成果を出し、あなたの置かれた状況が「今日、お金を稼がなければ明日の食べるものがない」という状況でないなら、私はぜひ成果を気にせず好き勝手やってみるのも良いですよとお伝えしたいです。
コンサルから勧められ、肥後庵のマーケティングの一環ではじめた、ブログや他メディアへの記事の寄稿をはじめました。もちろん、それで肥後庵の認知度は高まり、売上も上がりました。
しかし、魂のこもった記事を書くと、肥後庵もそうですが、「書いた私」に興味を持ってもらえる事が出てきました。今では、自分自身を売るためにも記事を書いています。これはコンサルの先生から教わらなかった分野で、好き勝手やっています。
その結果、ビジネス講演や出版、テレビやラジオなどの番組依頼などにつながりました。今では、このノウハウを講演でお話することもあります。誰もいっていない、私が好き勝手やって得られた「実験結果」に、市場ニーズがあることが分かりました。何より、「これやったらどうなるんだろう??」という探究心の結果を得るのが楽しくて仕方がない、という感じでしょうか。
どんな分野でも挑戦する以上、成果を得ることは必須事項です。でも、それだけに囚われ、いつまでも「先生のいう通りにする、おりこうな優等生」だけでは、人生つまらないと思うのです。やっぱり好きにやってみる、というあえて先の見えないワクワク感は大いに「あり」だと思うのです。
文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?