イギリス・ワイト島の南西部、ブライストーン湾付近で、マンモスか古代ゾウのものと見られる巨大な上腕骨が発見されました。
全長1メートルほどで、重さは30キロ近くあり、保存状態が驚くほど良好です。
発見したのは、地元のアマチュア化石ハンターである、ルーク(30)とジョー(28)のファーガソン兄弟。
ジョーさんは「私たちは子どもの頃からずっと化石を探し続けてきましたが、その中でも間違いなく最大級の発見です」と話しています。
兄弟が見つけた中で最大級の化石!
兄弟が化石を発見したのは、先月27日のこと。
2人は建設作業員として働きつつ、時間の許すかぎり、自宅近くのビーチへ化石狩りに出向いていました。
そして、浜辺の砂利道から突き出した巨大な骨に出くわしたのです。
骨は数日間続いていた悪天候により、運よく地上に姿を現したと見られます。
弟のジョーさんは「骨は波打ち際にあったので、発見がもう少し遅れていたら、海にさらわれていたでしょう」と話します。
骨は30キロ近くもあり、2人がかりで担いで自宅に持ち帰られました。
その後、兄弟は地元のサンドタウンにある恐竜博物館のマーティン・マン博士に連絡。
写真を送って、見解を求めました。
マン博士は「画像を見るかぎり、マンモスか牙を持つ古代ゾウの上腕骨と思われます。年代特定には調査が必要ですが、それらが生息していた12万5000〜1万年前の間のものでしょう」と説明します。
また「マンモスと古代ゾウの化石は、以前にも同地域で見つかった例がありますが、これほど状態の良いものは初めてで、とても興奮している」と続けました。
兄弟はプロの手による調査を望んでいますが、イギリスは現在、新型コロナに伴うロックダウン中であり、専門家とコンタクトが取れません。
ロックダウンが解除されるまでは、自宅で細心の注意を払いつつ、保存する予定です。
ジョーさんは「私たちはこれまでも多くの化石を発見してきましたし、家の飾り棚は化石のコレクションでいっぱいです。
しかし今回の化石は、その中でも最大かつ状態も完璧で、今だに発見が信じられません。見るたびに、部屋にある他の化石がなんでもないものに思えてきます。
おそらく一生に一度の発見で、これ以上のものには今後出会えないでしょう」と話しています。
参考文献
Fossil hunters find huge 66lb bone that belonged to huge straight-tusked elephant that roamed the world 125,000 years ago on the Isle of Wight
提供元・ナゾロジー
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