新型コロナウイルス感染症(コロナ19)事態の中で2倍ほど急騰したテレビ向けLCD(液晶パネル装置)パネル値が過去最低値を記録した。最近、サムスンディスプレイのLCD事業撤退が確定した中、LGディスプレイの出口戦略に関心が集まっている。韓国メディア「イートゥデイ」が報じた。(写真:LGディスプレイ パジュ工場=LGディスプレイ)
業界関係者は「持続的にLCDパネル価格が下がっていたが、最近過去最低値を記録したのはCOVID-19特需終了と共に上海封鎖など色々なサプライチェーンイシューが重なったと見られる」と説明した。
昨年までCOVID-19で引きこもり生活が増え報復消費効果まで重なりテレビ・IT機器販売が大きく増えた。テレビ向けLCDパネル価格も2020年5月前後に上昇し始め、1年間で2倍ほど上がるなど、一時的な特需を享受した。
しかし、日常回復とテレビメーカーのLCDパネル購買量が減り、パネル価格が持続的に下落している。市場調査会社のオムディアは、今年のLCDテレビパネルの売上は、昨年(383億ドル、約5兆1412億円)より32%急減した258億ドル(約32兆6524億ウォン、約3兆4633億円)に止まるだろうと見込んだ。
他の市場調査会社のトレンドフォースは「今年第3四半期にも(LCDパネル価格)下落傾向は続くだろう」とし「パネルメーカーは価格下落および在庫圧迫を緩和するために重要な生産統制に着手する計画」と明らかにした。
現在、全体LCDテレビパネルの出荷量のうち、中国メーカー各社のシェアは66%に上る。このうち先頭を走るBOE、CSOT、HKCの3社の今年第3四半期のテレビパネル生産能力が当初の計画対比15.8%減少すると知られた。
LCD市場の持続的な需要不振と価格下落、在庫過剰状態に達し、LCDパネルメーカーの悩みは深まっている。
パネルメーカー各社は、LCDテレビパネルの出荷量目標を減らしている。中国のBOEは今年のLCDテレビパネル出荷量目標を当初の6550万台から6000万台に下げた。HKCは4950万台から4200万台、LGディスプレイは2350万台から1800万台に減らした。
サムスンディスプレイはLCD事業を撤退した。売上比重が5%に過ぎないだけに、早い決定が可能だった。一方、LGディスプレイはLCD部門が全体売上で占める割合が70%に達する。
LGディスプレイは出口戦略として「選択と集中」に傍点を打った。LCD生産ラインを持続的に減らし、ハイエンド(高付加価値)LCDに力を注ぐ。また、OLED(有機発光ダイオード)への転換を加速する方針だ。
LGディスプレイは今年4月に開かれた第1四半期業績発表カンファレンスコールで「価格下落に影響が少ないハイエンド市場中心に事業を強化するだろう」と明らかにした経緯がある。また、OLED.EXなどの新技術を引き続き開発しているうえ、透明OLEDのような多様なソリューションを披露し、新市場の創出を本格化している。
LGディスプレイは今年下半期からテレビ向けLCDパネルの生産量を上半期より少なくとも10%以上縮小するという。LGディスプレイは坡州(パジュ)P7とP8、中国広州工場でLCDパネルを生産しているが、ガラス基板の投入量を減らし、減産を準備しているという。
LGディスプレイ関係者は「LCD事業において戦略的判断の下に機敏に対処し、高付加価値中心の構造革新を推進する」とし「既存OLEDが受注型事業だったとすれば、今後は大型OLEDと透明・ゲーミングOLEDで製品群を着実に拡大し、異種産業間協力を通じた市場創出努力を持続する計画」と説明した。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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