スポーツとテクノロジーの関係は年々、密接になりつつあります。
野球やテニス、水泳など、スローやタッチ判定にはカメラや機械技術が必須です。
特に最近では、試合を撮影用カメラにAI技術が採用され、カメラマンなしで自動でボールや選手を追ってくれます。
そんな中、イギリス・スコットランドのサッカー試合で、ある事件が起こりました。
自動追尾AIカメラが、審判のハゲ頭をボールと誤認識して、肝心の試合を撮り逃してしまったのです。
目次
新型カメラ「Pixellot」、スポーツ中継のコストを90%削減できる
審判のツルツル頭がボールと認識される
新型カメラ「Pixellot」、スポーツ中継のコストを90%削減できる
事件が起こったのは、先月24日の土曜日。
スコットランドのクラブ「インヴァネス・カレドニアン・シッスルFC」のホーム試合のことでした。
この数週間前、同クラブは「試合の撮影および中継用カメラに高性能のピクセロット(Pixellot)を採用する」と発表したばかりです。
ピクセロットは、高度な映像分析アルゴリズムが搭載されたAIカメラで、従来の人の手による撮影・ハイライト作成・データ分析などをすべて自動でおこなう優れものです。
対応する競技も、サッカー、バスケ、バレー、アメフト、レスリング、その他と多岐にわたります。
ピクセロットの導入で、スポーツ中継にかかる撮影・製作コストの約9割を削減できると言われています。
また、同クラブは「シーズンチケットを持っている一般観客は、ホームのカレドニア・スタジアムで撮影されたすべての試合を視聴できるようにしている」と述べていました。
審判のツルツル頭がボールと認識される
しかし、今回の試合で、ピクセロットに予想外の難点が見つかりました。
ピクセロットに搭載された「ボールトラッキング・システム」が、ラインズマン(線審)のハゲ頭をボールと誤認識してしまったのです。
こちらがそのときの証拠映像。
【編集注 2020.11.16 17:30】
動画はスコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ(SPFL)の異議申し立てにより削除されました。
twitterではあるユーザーがその様子を投稿。
ゴール付近の攻防を撮ろうとするも、コート横の線審に向けてカメラが焦点を当ててしまっています。
ピクセロットの目には、本物よりも線審の頭がボールに映ったようです。
しかも、このせいで肝心のシーンが撮影されず、視聴者から「ゴールが決まる瞬間を見損なった」とか「審判は帽子を着用するべきでは」といった不満が寄せられました。
現在、イギリスを含むヨーロッパでは新型コロナ感染症が再拡大しており、スポーツ観戦もテレビ中継が基本となっています。
そのため、同クラブはピクセロットのシステムの見直しを進めており、もし改善困難であれば、審判の帽子着用が義務付けられるかもしれません。
しかし、今回の事件で一番傷ついたのはラインズマンの男性でしょうね…
参考文献
futurism
iflscience
提供元・ナゾロジー
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