2000年代のちょっと古い時計を取り上げる当企画。5回目の今回は、筆者が刊行する時計専門誌「パワーウオッチ」の2008年7月に発売した41号に掲載されていた“パシャ・オリジナル38mm N゜950 クロノグラフ”というモデルを取り上げる。

パシャ オリジナル38mmといえばダイバーズウオッチのように回転ベゼルを装備し、カボションカットされたサファイアがあしらわれた独特のリュ−ズカバーを備え、それは外したときに紛失しないようしっかりと鎖でつながれているなど個性的な仕様のスポーティなコレクションとして人気を博した。

【気になるちょい古時計|No.05】短期間のみ製造された珍しい黒文字盤仕様のカルティエ パシャ オリジナル38mm
(画像=フレデリック・ピゲ社製をベースに改良を加えたCal.205を搭載。ローターと受け板にはびっしりロゴが刻印されている、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

今回取り上げたN゜950クロノグラフは、そのパシャ38mmシリーズのなかで、2001年から2005年頃までの一定期間だけしか製造されなかった珍しいモデルである。

基本デザインは一緒なのだが、最大の特徴は名前にもあるように、回転ベゼルの素材にステンレスではなくプラチナ950という高級素材を使用している点である。リューズカバーのカボションもサファイアではなくブラックセラミックに変更され男っぽさを強調。しかも、レギュラーラインでは展開されていなかった黒文字盤というのも特筆すべき点だ。

【気になるちょい古時計|No.05】短期間のみ製造された珍しい黒文字盤仕様のカルティエ パシャ オリジナル38mm
(画像=ネジ込み式のリューズカバーを外すと、中からリューズ本体が現れる。このリューズカバーと上下のプッシャーにはカボションカットされたブラックセラミックがあしらわれている、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

このN゜950シリーズにはここで取り上げたクロノグラフのほかに、グリットタイプの3針とGMTパワーリザーブの全部で3種類がラインナップされていた。現在の中古相場をざっと調べると、どのモデルも30万円台から40万円台といったところ。2021年にパシャのメンズラインが復活し、今年はかつて人気を博したグリット仕様も復活するなど話題を呼んだものの、旧型の中古相場にはほとんど影響していないようである。ちなみにこのN゜950シリーズだが、現行パシャにはない雰囲気で特にグリットタイプがなかなか良い感じだったと記憶している。

カルティエ
パシャ・オリジナル38ミリN゜950クロノグラフ
■商品データ
製造期間:2001〜2005年頃
型番: W3105155
素材:プラチナベゼル×ステンレススチール
ケース径:38mm
防水性:100m防水
駆動方式:自動巻き
当時の税抜き参考定価:112万円

提供元・Watch LIFE NEWS

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