SKオンが今年に最も速い成長速度を見せている。グローバル完成車メーカーとの合弁投資(JV)と単一工場の新増設投資に「オールイン」し、明確な事業成果を出している。韓国メディア「dailian」が報じた。(写真:SKイノベーション ハンガリー工場=SKイノベーション)
2025年までにSKオンが打ち出した220GWhのバッテリー生産能力を確保することになれば、4年ぶりに規模を5倍以上拡大することになる。電気自動車とバッテリーメーカー間のグローバル規模争いが激しくなる中、成功的な目標達成のためには兆ウォン(千億円)単位の投資金確保がカギになるものと見られる。
5日、SNEリサーチによると、今年1月から4月までSKオンのグローバルバッテリーシェアは7.0%を記録した。7.0%はSKオンがバッテリー供給を始めて以来初めてで、前年同期と比べて1.7%p増えた。これは国内3社の中で唯一のプラス成長だ。
この期間、バッテリー使用量が8.6GWh(ギガワットアワー)と集計され、141.3%の高成長を見せた。4月の1ヵ月間のシェアだけを見ると8.2%だ。現代(ヒュンダイ)・起亜(キア)自動車の電気自動車アイオニック5、EV6の販売が好調を示したからだ。フォードの野心作である電気ピックアップトラックF-150の顧客引渡しが本格化すれば、この数値はさらに増えるものと見られる。
SKオンの成長速度が特に速いのは、グローバル市場を対象にした攻撃的な投資戦略のためだ。SKオンは中国CATL、LGエナジーソリューションに続きグローバル販売「トップ3」の目標達成のために2025年までに220GWh、2030年までに500GWh以上のグローバルバッテリー生産能力を確保するという計画を立てた。
このため、米国の電気自動車市場を狙っているフォードと合弁法人を設立することにしたのに続き、欧州・中国合弁・単一工場の増設にも拍車をかけている。
現在、韓国(瑞山、ソサン)、ハンガリー(コマロム)、中国(長州、恵州、塩城)などでバッテリーを量産しているSKオンは、今年第1四半期に米国(ジョージア)第1工場(9.8GWh)、ハンガリー第2工場(10GWh)を追加した。
中国塩城工場の生産能力も追加的に確保し、年末までに生産規模を計77GWhに拡大する計画だ。昨年の生産能力は40GWhで、1年間で規模を2倍拡大することになる。
来年も大規模な商業稼動が予定されている。2023年第1四半期の米ジョージア第2工場(11.7GWh)に続き、翌年にはハンガリーのイバンチャー工場(30GWh)と中国塩城第2工場(33GWh)の稼動を目標にしている。
バッテリーロードマップどおりに220GWh生産能力を確保することになれば、日本のパナソニックを抜いて名実共にグローバル強者に跳躍することになる見通しだ。パナソニックはテスラなどを狙って、2028年までにバッテリー生産能力を最大200GWh増やす計画であり、SKオンが3年先に達成する予定だ。
2025年からはフォードと合弁して設立したブルーオーバルSK工場の商業稼動が予定されている。テネシー工場の生産能力は43GWhで、ケンタッキー工場は86GWh(43GWh2期)で、計129GWhの生産能力を確保することになる。これは60キロワット(KW)バッテリーを搭載した電気自動車を毎年215万台生産できる水準だ。
フォードは2030年までにバッテリー容量240GWhを確保する計画で、相当部分はSKオンを通じて調達するという方針を明らかにしている。
ブルーオーバルSK(129GWh)とSKオンのジョージア州第2工場(11GWh)を通じて北米で必要な140GWhを調達し、その他必要な30~45GWhはSKオン-コーチと合弁するトルコ工場を通じて受け取る計画だ。
キム・ジュン副会長は3月の株主総会以後に行った質疑応答時間で「米国国籍企業の他にヨーロッパ国籍の企業も米国内の現地化を推進中で、単独・合併工場は受注状況により弾力的に行う計画」と言及した。
このようなグローバル大規模投資計画が予定通り行われるためには、毎年投入されなければならない兆ウォン(千億円)単位の投資金確保がカギになるものと見られる。
SKオンはバッテリー投資資金をフォードなどOEMとのJV(合弁投資)と現地政府インセンティブなど多様な方法で調達すると明らかにしている。SKイノベーションは第1四半期のカンファレンスコールで「相当部分はフォードとのJVを通じて調達するつもり」とし「現地政府のインセンティブも投資財源として活用する計画」と説明した。
さらに、現在進行中のフリーIPOでも資本調達を計画している。上半期中にディールを終える計画で、予定通り履行されれば約4兆ウォン(約4181億円)を確保することになるものと見られる。
企業規模を拡大する過程で安定的な損益実現を繰り上げることも必須課題に挙げられる。SKオンの上場時点は2025年以後で、その間にバッテリー事業がまともに価値を認められるためには何よりも損益分岐点(BEP)達成が急務だ。
ニッケル、コバルトなどの原材料価格引き上げで原価負担圧迫が高まっており、半導体供給難でグローバル完成車の電気自動車生産・販売計画にも支障をきたしているだけに、この課題を解決するのは容易ではないという観測が多い。
原材料・半導体リスクの他にも最近量産に突入した米国、ハンガリー工場初期稼動費用とバッテリー人材確保などあちこちに投入されなければならない資金も少なくない。
SKイノベーションは「2022年第4四半期の営業利益BEP転換目標や遅延の可能性もある」と話した。
提供元・コリア・エレクトロニクス
【関連記事】
・韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
・韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
・LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
・米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
・フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?