カヤックフィッシングの課題と解決の糸口
全国にカヤックフィッシングに行かれる松本さんだからこそ感じる、各地でのカヤックフィッシングを取り巻く課題もあるようです。
カヤックフィッシングの課題
全国的に見ると、カヤックフィッシング自体はまだそれほどメジャーな釣りの仕方ではないかもしれません。だからこそ、その地域に認知してもらえるようなコミュニケーションがもっと必要ではないかと思います。
例えば地域によっては遊漁や漁業に関しても、夜明け前の出漁や時刻までが細かく決められているところもあります。伊豆以外のほかの地域でカヤックフィッシングを楽しむときは都道府県の水産課のウェブサイトの情報を調べ、場合によっては地元の漁協へ問い合わせたりもしています。
まだそこまで意見できるほど、各地の現状を把握しきれておりませんが……。
課題解決の糸口
前述した通り、ルールやマナーが周知されていない、調べるのにも手がかかる点が、まずは大きな問題だと思っています。とはいえ、一方的なルールは誰にも受け入れられません。関係各所とのコミュニケーションがまずは重要ではないでしょうか。
ロッジモンドが提供するアクティビティは「山と海とを繋ぐ」がテーマです。古道の再生や森林整備、マウンテンバイクなど山に関わる仕事やサービスの提供も行っていますが、それぞれを切り分けて考えるのではなく繋げていくことを意識しています。「つなげる」の連鎖が様々な課題解決や新しいアイディアのきっかけになるような気もしています。

カヤックフィッシングの未来
最後に、松本さんが描いているカヤックフィッシングの「未来予想図」を聞いてみました。
カヤックフィッシングの今後
カヤックフィッシングは二酸化炭素を排出しないゼロカーボンの新しい釣りのスタイルであると考えています。将来的にはソーラー船や水素エンジン船などを導入し、ツアーのサポートや外洋の沖合のポイントまでカヤックを曳航して行くフィッシングサービスを構想してます。より自然に近く触れることが出来るカヤックフィッシングツアーは観光事業としての相性も良く、近いうちに再開されるであろうインバウンド需要も取り込めると確信しています。
釣り人同士のコミュニケーション
松本さんの回答にもあったように、カヤックフィッシングは初心者からも魅力的なアクティビティとして捉えられています。「沖釣りデビューがカヤックフィッシング」なんてパターンも珍しい話ではないのかもしれません。そうなると、エリアごとのルールやマナーがすぐに調べられるような情報の整備は必須でしょう。
まずは漁師さんへの配慮と安全確保のルール策定が大前提。その上で、釣り人同士が釣り方で対立するのではなく、釣り方が異なる相手にこそ前向きな興味と尊敬を持ってコミュニケーションを取り合うことが当たり前になれば、自然と最適なマナーが作られていくかもしれないですね。
<小菊/TSURINEWS編集部>
提供元・TSURINEWS
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