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浮遊惑星での生活はあくまで一時しのぎ

浮遊惑星での生活はあくまで一時しのぎ

50億年後の太陽系滅亡に備え、浮遊惑星を「箱舟」にする研究が発表される
(画像=星系内惑星と浮遊惑星を乗り継ぎながら伝播するヒッチハイク文明があるかもしれない / Credit:Canva,『ナゾロジー』より 引用)

今回の研究により、太陽系脱出のために浮遊惑星を利用する方法が示されました。

浮遊惑星を宇宙船として利用するメリットは、惑星全体を資源や生活空間として利用できる点にあります。

また惑星の内部が地球のように熱を保持しているならば、地熱エネルギーを利用することも可能です。

ただ残念なことに、浮遊惑星を永遠の住処とするのは難しいでしょう。

惑星内部で生産される熱は有限であるため、時間が経てばコアまで冷え切って、液体の海を維持できなくなるからです。

そのため研究者は、浮遊惑星はあくまで救命ボートのような存在であり、移住先がみつかれば乗り捨てる必要があると述べています。

一方で研究では、浮遊惑星を使った宇宙規模のヒッチハイクを行っている文明がある場合、さまざまな惑星に「文明」の種をばらまく「種まき機」として機能する可能性についても述べられています。

これまでの地球外文明の探査は星系内にある惑星に目が向きがちでしたが、もしかしたら浮遊惑星こそが最大の狙い目なのかもしれません。


参考文献

Civilizations Don’t Even Need Space Ships to Migrate From Star System to Star System

元論文

Migrating extraterrestrial civilizations and interstellar colonization: implications for SETI and SETA


提供元・ナゾロジー

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