かつてのジュゴンは陸上に住んでいた
現生するジュゴンの祖先は、クジラと同様、海に引っ越しする前は陸上生活を送っていました。
現時点で最古のジュゴンとして知られる「ペゾシーレン」は半水棲で、陸上生物と同じように前後の手足を残していたことが分かっています。
そのときに草食だった名残で、海に移動した後も海藻が主食となり、魚は食べないのでしょう。
食生活に大きな変化はなかった反面、時間の経過とともに前足はヒレになって、後ろ足は完全になくなりました。これはクジラも同じことです。
ジュゴンは、海藻が豊富な場所を住処にするため、陽のあたりが良い浅瀬に生息します。そのおかげで、遺骨が沿岸部の海底に保存され、海に近い陸地で化石が発見されやすいのです。
専門家たちは「ジュゴンの化石は、過去の地球環境を詳しく知るための貴重なサンプルとなる」と話しています。
参考文献
livescience
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功