JTBの22年3月期(21年4月~22年3月)連結決算は最終損益が284億6100万円の黒字に転換した。前期は1051億5900万円の赤字。本社ビルなど不動産や関係会社株式の売却による特別利益442億円が貢献し、最終黒字を確保した。今期は旅行事業が回復すると見て、3年ぶりの営業黒字を見込む。
売上高は56.5%増の5823億2300万円。行動制限や水際対策により旅行需要の回復が遅れる一方、会議・イベント運営や企業・行政へのソリューション提供など非旅行事業が全体の約6割を占めるまで拡大した。営業損失は48億8000万円。人件費など販売管理費を減らし、赤字額が約927億円縮小した。
21年度は中期経営計画で経費構造改革を行うフェーズ1の最終年度に当たる。コロナ禍前と比べ国内のグループ会社を12社、拠点を145店舗減らすなど、固定費削減に取り組んだ。会見した山北栄二郎代表取締役社長は「すべての項目で当初計画を上回って達成できた。回復・成長のフェーズ2に向かう」と胸を張った。従業員は国内・海外計で約9000人減ったが、今後の人手不足に備えて新卒採用を再開する。23年春に約300人を見込んでいる。
提供元・トラベルジャーナル
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