ダイヤモンドは最も硬い物質の1つとして知られています。

最近、アメリカ・ワシントン州立大学衝撃物理研究所に所属するYogendra Gupta氏ら研究チームは、人工の六方晶ダイヤモンドを作成を報告しました。

この報告では、音波を使って人工ダイヤモンドの剛性を計測。天然のダイヤモンドよりも高い剛性が認められました。

研究の詳細は、3月8日付けの科学誌『Physical Review B』に掲載されています。

目次

六方晶ダイヤモンドは天然のダイヤモンドより硬い?
音波を使って六方晶ダイヤモンドの剛性を計測

六方晶ダイヤモンドは天然のダイヤモンドより硬い?

これまで科学者たちは天然のダイヤモンドよりも硬い素材を探し求めてきました。

そしてその可能性を秘めた物質が見つかりました。それが「六方晶ダイヤモンド」と呼ばれるものです。

天然ダイヤモンドより硬い人工ダイヤモンドがあった!
(画像=(左)立方晶ダイヤモンドの結晶構造 , (右)六方晶ダイヤモンドの結晶構造 / Credit:(左)Anton / Wikipedia , (右)Materialscientist / Wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

通常、天然ダイヤモンドの結晶構造は、炭素原子が立方体のように配置された立方晶系です。

ところが六方晶ダイヤモンドは六角柱のような構造をもっており、大きな熱と圧力の結果、生成されます。

自然界では、隕石が地球に衝突した際に作られることがあり、隕石の衝突地点で発見されます。

また研究室で人工の六方晶ダイヤモンドを作成することも可能です。

しかし、これらはどれも小さすぎたり一瞬で崩れたりするため、正確な硬さを測定できません。

理論上では六方晶ダイヤモンドが天然ダイヤモンドよりも硬いはずなのに、だれもその硬さを確かめることができていなかったのです。

そんな中、新しい研究では、人工ダイヤモンドを作成し、その剛性を測ることに成功しました。