収入が低く毎月なんとか生活している状況なら、転職による収入アップを図りましょう。磨くべきスキルを知っておけば、現状から抜け出すための転職活動を始めることが可能です。生活の改善方法や、キャリアアップのために磨きたいスキルについて解説します。
低収入とはいくらから?
低収入とは、一般的にどのくらいの収入を指すのでしょうか?年収の低い業界や、ワーキングプアについても理解を深めておきましょう。
一般的に年収300万円以下を指す
一般的に低収入という場合は、300万円以下の年収を指すことが多いです。月額に換算すると、『300万円÷12カ月=25万円』になります。
ただし、実際に使えるお金は手取りで考えなければなりません。手取りは年収の約80%になるため、年収300万円での手取り月額は『25万円×約80%=約20万円』です。
また、低収入の捉え方は年代によっても異なります。国税庁が公表する資料によると、令和2年における20~30代の平均年収は以下の通りです。
- 20~24歳:約260万円
- 25~29歳:約362万円
- 30~34歳:約400万円
- 35~39歳:約437万円
上記のデータを見ると、20代で年収300万円なら、年収が低すぎるとはいえないことが分かります。
参考:令和2年分 民間給与実態統計調査 P19 | 国税庁
年収の低い業界
平均年収は、業界によっても差があります。国税庁のデータによると、業種別の平均年収が最も低いのは『宿泊業・飲食サービス業』で、約251万円です。次に低いのが『農林水産・鉱業』の約300万円で、『サービス業』の約353万円が続きます。
また、企業の規模も年収に影響を与える大きな要素の一つです。資本金2000万円未満の株式会社の平均年収が約372万円であるのに対し、資本金10億円以上の場合は約608万円となっています。
さらに、学歴が低いほど低年収になる点もポイントです。厚生労働省の資料によると、令和2年における学歴・性別ごとの平均年収は以下の通りです。
学歴 | 平均年収(男性) | 平均年収(女性) |
高卒 | 約413万円 | 約305万円 |
専門学校卒 | 約433万円 | 約369万円 |
高専・短大卒 | 約484万円 | 約361万円 |
大卒 | 約549万円 | 約404万円 |
大学院卒 | 約651万円 | 約566万円 |
なお上記の表は、ボーナス・特別給与なども考慮し、「ひと月の賃金×14」として計算して算出しています。
参考:令和2年分 民間給与実態統計調査 P17~18 | 国税庁
参考:令和2年賃金構造基本統計調査の概況 P3 | 厚生労働省
働けども抜け出せないワーキングプアの現実
近年の先進国では、ワーキングプアの増加が社会問題となっています。ワーキングプアとは、フルタイムで働いているのにもかかわらず収入が低い労働者のことです。
日本国内においては、非正規雇用労働者がワーキングプアに該当すると考えられます。総務省の調査によると、令和3年12月時点の非正規の職員・従業員数は約2100万人、全労働者に対する割合は約37.2%です。
また、ワーキングプア層における男女格差も大きな問題となっています。男性は非正規の割合が約22%であるのに対し、女性の場合は過半数の約54%です。
一般的に、ワーキングプアとは年収200万円以下とされています。いくら働いてもなかなか貧困から抜け出せないワーキングプアの現実も知っておきましょう。
参考:労働力調査 (基本集計) 2021年(令和3年)12月分 P1〜2 | 総務省
生活水準を改善するには
低収入者の生活水準の改善につながる、主な方法を紹介します。少しでも生活が楽になるように、できることから始めてみましょう。
給付金を受ける
住民税が非課税になる条件を満たしていれば、給付金を受け取れる場合があります。給付金は返す必要がないため、生活水準の一時的な改善に役立つでしょう。
例えば、新型コロナウイルスの影響に対する経済対策として、令和4年1月から住民税非課税世帯に10万円が支給されています。自宅に送られてきた確認書を返送すれば、受け取ることが可能です。
住民税非課税世帯となる年収の目安は、住んでいる自治体のホームページで確認できます。給付金の種類によっては、自分で申請しなければ受け取れないものもあるため、自治体から発信される情報を小まめにチェックしましょう。
国民健康保険料の減額制度を利用
低収入の人は、国民健康保険料を安くできる可能性があります。前年中の合計所得に対して適用される減額割合は、7割・5割・2割の3種類です。
国民健康保険料の減額制度を利用するためには、前年の所得を申告しなければなりません。職場で年末調整をしてもらえる場合は特に手続きを行う必要はありませんが、年末調整を行ってもらえないなら確定申告で所得を申告する必要があります。
保険料7割減額の対象になれば、保険料の負担を大幅に軽減することが可能です。年末調整を受けられない人は、きちんと確定申告を行っておきましょう。
毎月貯金する
低収入者が生活水準を改善するための方法としては、毎月の貯金も挙げられます。生活が苦しい中でもコツコツとお金をためていければ、安心して家計をやり繰りできるでしょう。
一般的には、手取りの15~20%が理想の貯金額とされています。年収300万円で手取り月額20万円なら、月々の理想の貯金額は3~4万円です。
ただし、理想の貯金額が高すぎる場合、最初は頑張れても徐々に金額が減って挫折しやすくなります。毎月の貯金を長く続けるためにも、理想の貯金額にはこだわらず、少し頑張ればためられる金額を設定しましょう。