ランドローバー本社は2022年5月31日、予告通りに本格クラスカントリーSUV「ディフェンダー」シリーズに、新たにフルサイズの3列シートを備え最大乗員8人乗りの「ディフェンダー 130」を発表した。
新型「130」は、従来の「90」、「110」と同様にディフェンダー一族のイメージを引き継ぎ、ボディ・デザインも継承し、最大8人の乗員がどんな地形でも快適に移動することができ、ディフェンダーならではの高い走破能力を持つ究極のクロスカントリー・モデルとなっている。
なお、ランドローバーは、エリザベス女王の在位70年を祝し、特別な「130」を女王陛下と英国赤十字社へ献上することになっている。ランドローバーのエンジニアが、女王陛下がパトロンを務める慈善団体の担当者とともに作り上げた特別モデルは今年後半に稼働する予定になっている。
新型130について、ニック・コリンズ車両開発責任者は、「130は、当社の最も耐久性に優れた堅牢なファミリーの能力を新たなレベルへと引き上げています。その極上の快適さを備えた広々とした室内には最大8人を迎え入れ、かつてない洗練されたアドベンチャーの機会を家族にもたらします。ユニークなデザインで、他に類をみないディフェンダーならではのエクスペリエンスを提供します」と語っている。
エクステリア&インテリア
エクステリアは、オールテレイン走破能力を損なうことなく、後部を340mm延長することで、ボートテールスタイルのリヤ形状となる、エレガントなフォルムに。同時に3列すべてのシートが広々とし、ラゲッジスペースの拡大をもたらしている。
限定のエクステリアカラーとして、セドナレッドを新設定し、デザインを強調するとともにさらなる深みと洗練さを感じることができる。また標準装備のパノラミック・ガラスルーフに加え、3列目の頭上には2つ目のサンルーフが装備される。
またボディ同色のハードシェル・スペアホイールカバー、ナルヴィックブラックのルーフレールを標準装備し、ディフェンダーの4つのエクステリア・アクセサリーパッケージ(エクスプローラーパック、アドベンチャーパック、カントリーパック、アーバンパック)も選択可能になっている。
インテリア・デザインは、新しいカラーとマテリアルのオプションが採用されている。新たに11.4インチの大型タッチスクリーンを備えたインフォテインメントシステム「Pivi Pro」と電子制御エアサスペンション、空気清浄システムプラスを採用し、モダンなデザインで統一され、オフロードドライブを楽しむための究極の快適性を満喫できる。
また3列シートのすべてが乗員にとって使い勝手のよい収納と利便性の高い機能が充実。3列目シートは広々として明るく開放的で、難なくアクセスすることができるのが、他の3列シートと異なるところだ。
パワートレイン
130のパワートレインのラインアップは、マイルドハイブリッド(MHEV)を採用した直列6気筒インギニウム・ガソリンエンジン(P300、P400)と、インジニウム直列6気筒ディーゼルエンジン(D250、D300)となっている。
マイルドハイブリッドのの直列6気筒インジニウム・パワートレーンはシームレスなレスポンスと優れた燃費を実現。48Vのベルト・インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター(BiSG)を搭載し、ブレーキと減速で通常失われるエネルギーを蓄電し、そのエネルギーを走行時に動力として活用するほか、ストップスタートシステムの機能も担当している。
3.0Lの直列6気筒インジニウム・ガソリンエンジン(MHEV)は、P300は最高出力300ps、最大トルク470Nm/1500-4250rpm、0-100km/h加速8.0秒。P400の最高出力400ps、最大トルク550Nm/2000-5000rpm、0-100km/h加速6.6秒だ。
3.0Lの直列6気筒インジニウム・ディーゼルエンジン(MHEV)は、P250は最高出力250ps、最大トルク600Nm/1250-2250rpm、0-100km/h加速8.9秒。P300は最高出力300ps、最大トルク650Nm/1500-2500rpm、0-100km/h加速7.5秒となっている。
駆動システムは、ランドローバー独自のインテリジェント・オールホイールドライブ(iAWD)システムとZF製8速ATを搭載。iAWDテクノロジーは効果的・効率的にパワートレインとフロントアクスル・リアアクスル間のトルク配分を制御することで、必要に応じてオンロードでの効率性とオールテレイン走破性を最適化することができる。
シャシーは、電子制御エアサスペンションに加えてアダプティブ・ダイナミクスとランドローバー独自の高度なテレインレスポンス・システムを装備し、あらゆる環境下で卓越した悪路走破能力を発揮することができる。
電子制御エアサスペンションシステムは最大430mmの車高変化する。オフロードモードではフロントは71.5mm(リヤは73.5mm)上がり、障害物の乗り越えや水中走行(最大渡河水深900mm)をアシスト。そしてオフロード性能を制御するのはランドローバー独自のテレインレスポンス・システムだ。「Pivi Pro」タッチスクリーンから地形に応じてドライビング・モードを選択することができる。
ディフェンダーならではのオールテレイン走破能力の基盤となっているのがランドローバー独自開発のアルミニウムモノコック・アーキテクチャー「D7x」だ。25kNm/degものねじり剛性を実現し、従来のフレームボディの3倍の剛性を持っている。全輪に独立懸架エアサスペンション、ツインスピードトランスファーギアボックス、iAWDを搭載している。 130のグレードは、SE、HSE、X-DYNAMIC、X、FIRST EDITIONというラインアップで、全機種に20インチアロイホイールを標準装備している。
提供・AUTO PROVE
【関連記事】
・BMW M550i xDrive (V型8気筒ツインターボ+8速AT:AWD)試乗記
・マツダ3e-スカイアクティブ X試乗記 トップグレードエンジンの進化
・トヨタ ヤリスクロス試乗記 売れるクルマ(1.5Lハイブリッド4WD)
・ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)
・スズキ ソリオバンディット試乗記(1.2LMHEV CVT FF)