「友情」の制御

脳に刺したLEDで「友情」を遠隔操作する研究
(画像=人間にも応用できれば社会関係で悩む必要のない「全員なかよし」の世界がやってくる / Credit:Canva、『ナゾロジー』より引用)

今回の研究により、社会的関係性が対象者の脳の同期によって築かれ得ることがわかりました。

「なかよくなる」ということは、自分と他人の神経活動リズムを一致させることからはじまるのかもしれません。

研究者たちは今後、この光刺激装置をマウスの様々な脳領域に適応することで、社会的関係性以外のさまざまな精神活動の制御を目指していくとのこと。

もし人間に対しても制御が実現すれば、どんなに気に入らない人とも大親友になれるだけでなく、場面に応じて最適の精神状態に自分を変化させられるかもしれません。

ただ光刺激装置を使うには、マウスに行ったように脳細胞の遺伝子の後天的な書き換えが必要になるため、電極を用いた刺激よりもクリアすべき倫理的問題は多くなるでしょう。


参考文献

Implanted wireless device triggers mice to form instant bond

Scientists remotely controlled the social behavior of mice with light

元論文

Wireless multilateral devices for optogenetic studies of individual and social behaviors


提供元・ナゾロジー

【関連記事】
ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功