いまだ、感染は悪だと思っているなら台湾とNZを見よ
日本のこの2年間。全員とはいいませんが感染症専門家や医者の大半は「人流制限せよ」、「止まらなければロックダウンせよ」と言い続けてきました。それが本当に正しかったのか、現時点で精査すると全くの間違いであったことが分かります。
現在の日本の「外国人を入れるな」政策も、元はといえば「人流を制限すれば感染は広がらない」という初期の考え方が深く根付いているものです。これは本当だったのかを専門家の面目が潰れることを嫌って検証しないからいまだに人流制限 = 入国制限 をしているわけです。
「感染対策で成功した国」として専門家が真っ先に挙げていた国。それが台湾とニュージーランドでした(中国と北朝鮮はそもそも発表している数字を誰も信じない)。それぞれ厳しい鎖国制度と1人でも感染者が出たら強力なロックダウンをしてきた2国ですが、その2国はいまどうなったか。
まずは累積の人口あたりの感染者数
なんと、日本が一番少ない!!!
過去7日間で見ても日本が少ない。
ニュージーランドは昨年にゼロコロナを諦めてウイズコロナに転換しました。台湾は日本と同じでビジネス目的の入国受け入れを3月から再開してはいますが観光では入れません。では人口あたりの死者数はどうなっているのか。
ニュージーランドの人口あたりの死者数は日本とかわらなくなっています。
台湾はまだ少ないのですが、凄い勢いで追ってきています。
過去60日間ですと人口あたりの死者は
台湾、ニュージーランドとも急激に増えた
のがわかる。折れ線グラフで死者数の累計を見てみると
ワクチンができるまでロックダウンと鎖国で耐えるという方針だった2国は、開国したと同時に猛スピードで感染が拡大し、死者も猛烈に増えてあっという間に日本に追いつく(NZは超える)勢いです。
いままで何度も書いてきたが、自然感染を抑え込んでいるとワクチンだけでは抵抗力が足りず、開国と同時に一気に拡大してしまう。そして死者も出る。出るといっても高齢者のワクチン接種率の低かった香港に比べるとこの3国は1/8なので確かにワクチンは効いているが、それでも
鎖国してもロックダウンしても結局死者数は変わらない
ということを2国は証明した。つまり「命を守るためにロックダウンしろしろ」と言っていた専門家諸氏は明らかに間違っていたわけです。結局のところ、かかるべき人たちがかからないと感染は収束せず、ワクチンを打っても一定数は亡くなる。それは遅かれ早かれ同数程度かそれ以上にはなる。これが山火事理論です。台湾はいま日本とあわせると500人/日くらいのペースで亡くなっているので日本と同程度に並ぶのは時間の問題と思います。
日本はたまたまロックダウンができず、2回目以降の緊急事態宣言は空いている店もあったし、まん防は8時までしか酒を出さないという謎ルールだったが、無視する飲み屋街は普通に混んでいた。しかし厳しい規制をしたいた国が少し開放するだけで感染爆発が起こり、結局は死者数が変わらなくなる。
つまり、専門家たちが言っていた人流抑制は、他になにもアドバイスできないから苦し紛れにエビデンスもないのに言っていた事に過ぎず、それを撤回しないものだからいまだに馬鹿政府は「入国制限やめて広がったらどうする」と馬鹿規制を止められないのです。
コロナのような感染力の高い感染症は、なにをとしようが変異株が出れば広がるし、抑え込んだように見えても結局は死者の帳尻は合ってしまう。であれば一定数の被害は仕方ないものとして社会が受けいれて元の生活に戻るしかないのです。
早く入国制限を撤廃して元の生活に戻りましょう。円安によるスーパーインフレも最小限に食い止められ景気も良くなる。それを阻害しているのは「人流を制限すると感染拡大しない」といういまや日本と中国しか持っていない過去の常識のせいです。そしてされを撤回しない無責任な専門家のせいだと思います。
■
わたしと音喜多君、立憲の中谷さん、自民の藤末さんの新刊「日本沈没を食い止めろ!」がでました。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年6月1日の記事より転載させていただきました。
文・永江 一石/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
【関連記事】
・「お金くばりおじさん」を批判する「何もしないおじさん」
・大人の発達障害検査をしに行った時の話
・反原発国はオーストリアに続け?
・SNSが「凶器」となった歴史:『炎上するバカさせるバカ』
・強迫的に縁起をかついではいませんか?