A.同じワニ科でもまったく異なる種別の動物
時計のレザーベルトに用いられる皮革は豊富に種類が存在する。比較的手頃な価格で入手できるカーフは子牛、艶のある光沢感が魅力のコードバンは馬といった風に、用いられる動物の皮革が異なると、見た目や肌触り、価格などに差が出てくる。
なかでも、ブランドバッグでもよく使用されるのがワニ革だ。みなさんも“アリゲーター”製、“クロコダイル”製という言葉は目にするだろう。
ではこのアリゲーターとクロコダイルは、見た目も価格もそれほど開きがないのになぜ同じワニ革で表記が異なるのか。
実はこの2種類は、同じワニであっても異なる種族に属している。(以下大辞泉引用)
クロコダイルはワニ目クロコダイル科の爬虫類の総称。口を閉じても下あごの大きな第4歯が見える。熱帯にすみ、水辺に近づいた動物を襲う。ナイルワニ・イリエワニなど。
対してアリゲーターはワニ目アリゲーター科の爬虫類の総称。長い口の先端は丸みを帯びる。口を閉じたときに下あごの第4歯が隠れ、腹面の各鱗板 (りんばん) に小孔がない。ミシシッピーワニ・クロカイマンなど7種がある。
ほかにも、見た目的には、胸部の鱗が細かく腹部にある長方形の鱗がキレイに並んでいるのがクロコダイル、胴が長く腹部の鱗の形状がクロコダイルよりもやや長い長方形になっているのがアリゲーターだと見分けられる。
ただしベルトに加工された際の見た目は非常に似ており、ふたつを見分けるのは難しいとされている。
ひとつ見分ける方法として、クロコダイルにのみ穿孔(せんこう)と呼ばれる穴が空いている。
ここを見ればクロコダイルかそうでないかが判断できるのだが、なめしや染色の段階で見えづらかったり消えてしまっているものもあるため、穿孔があるかないかで一概には判断はできない。
また素材としての良し悪しの差もないし、販売価格も同程度である。
<参考文献>
株式会社バンビ公式サイト>皮革ベルトに関する知識 –
文◎松本由紀(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
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