生鮮や冷凍食品も配送可能に
今回のサービスで購入できる商品は、生鮮食品や冷凍食品、総菜などを含む約2000品目。横須賀市での実験の際は、常温商品約400品目の取り扱いだったが、今回は商品の収納部に専用の保冷ボックスを開発し、常温・冷蔵・冷凍の三温度帯に対応したことで、大幅に取り扱い商品を拡大することが可能となった。「いますぐほしいというニーズに対応したオンデマンド配送や、生鮮食品への対応を含め、実用化を見据えたサービスとなっている」(楽天グループコマースカンパニーロジスティクス事業ドローンUGV事業部ジェネラルマネージャー向井秀明氏)
楽天グループは今後も実用化を前提とした安全性の担保やデータの蓄積を重ねたうえで、より広範囲にロボットでの配送サービスを展開していきたい考えだ。「さまざまな小売店舗や飲食店などを含め、街の配送ニーズの多くをロボットが満たせるような社会をめざしていきたい」(向井氏)
少子高齢化が進むなか、商品を運ぶ担い手も減っている。その一方で、「ウーバーイーツ」などのフードデリバリーに代表されるように、モノを運んでほしいというニーズは拡大している。こうしたなか、向井氏は「1人が複数のロボットを監視する体制を構築するなどの工夫で配送コストを抑え、最終的に人より安く運べるようにする。また、ロボットであれば深夜でも気兼ねなく注文できる。こうしたロボットならではの利便性を提供していきたい」と話す。
22年3月には道路交通法の改正案が閣議決定され、今後はUGVの制度化が進む見込みとなっている。配送ロボットが街中を行き交う風景が見られる将来は、そう遠くないのかもしれない。
文・松尾 友幸/提供元・DCSオンライン
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