今の若手の約8割が、幹事をやりたくないと思っているという。しかしメリットがあれば話は別だろう。そのメリットは、政府が推奨する「キャッシュレス決済」をうまく活用することで、誰の懐も痛めずに生み出せる。

若手は幹事をやりたくないと思っている

「どこのお店でやるか」「どのコースにするか(会費は?)」「何時から始めるか」など、何かと決断を強いられるため、幹事を任されることを負担に感じる人も少なくない。リクルートライフスタイルの2014年のアンケートによると、忘年会幹事の74%が「幹事をやるのは好きではない」と答えているという。

インターネットで「飲み会 幹事」と検索すると、「飲み会の幹事ができる人は仕事ができる(上司の評価が上がる)」というコラムが上位に表示される。確かに飲み会は1つのプロジェクトであり、幹事というプロジェクトリーダーはリーダーシップを発揮し、段取り力、交渉力、コミュニケーション力、予算及びスケジュール管理と一連の能力を試される。

しかし、飲み会においてチェックされるのは、幹事の能力だけではない。忘年会の幹事を指名する責任は上司・先輩にあり、幹事を成功に導く能力が問われる。飲み会の評価は上司や先輩の評価にもつながる。

若手が幹事に任命されたら、「自分が幹事をやったとき、どんなフォローが欲しかったか」を思い出してさりげなくフォローするといいだろう。若手も「頼りになる上司(先輩)だ」と思ってくれるかもしれない。

決済で得たポイントは「幹事の報酬」と考えては?

飲み会の予約もネットで済ませる幹事が3割だという。そこでクレジットカード払いをすればポイントが貯まるし、決済アプリを併せて使えばアプリとクレジットカードのポイントの二重取りも可能だ。

しかし、会社の飲み会の決済に幹事のクレジットカードを使うのはポイントの独り占めであり、これを批判する人がいるため、飲み会の決済は集めた現金で支払うという幹事が依然多いようだ。

だが、このポイントを「幹事への報酬」と考えてみるのはどうだろうか?ちょっとした工夫で生み出した報酬であり、誰の懐も痛まない。せっかく使えるお得なシステムなのだから、利用しない手はない。

キャッシュレス決済は時代の流れに乗っている。政府もキャッシュレス決済を奨励しており、2019年10月の消費増税のタイミングでキャッシュレス決済した分の2%還元案を検討している。

社会人としての成長は後から分かる

「飲み会の幹事ができる人は仕事ができる(上司の評価が上がる)」というのは、幹事経験者の体験談にもとづくので、これが真実だと言っても幹事をやったことがない若手には響かない。社会人としての成長は目に見えないものであり、実際に幹事を経験し、自ら気づくものなのだ。

まずは、若手に幹事をやってもらうことが大切だ。とはいえ、渋々やっても何も身につかないので、やる気にさせる必要がある。この“やる気”を起こさせるために、キャッシュレス決済で付与されるポイントを活用すればいい。飲み会の費用を全額クレジットカード払いで決済すれば、かなりのポイントが貯まる。還元率1%で10万円支払えば、1,000円分のポイントがもらえる。いま流行りの決済アプリを併せて使えば、アプリとクレジットカードのポイントが両方もらえる。

数ある店舗の中から飲み会の会場を探すのは確かに大変だが、クレジットカード決済のできる店舗で、かつ決済アプリの使える店舗に絞れば店舗選定が楽になり、幹事の負担も大幅に軽減される。

この提案ならば幹事を任される若手にもメリットがあり、先輩・上司である自分の株も上がるかもしれない。忘年会などで早速実践してみてはいかがだろうか。

文・MONEY TIMES編集部
 

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