前編では「現状維持のためのカロリー量を算出する」と「自分に必要なカロリー量を知る」を紹介した。後編では「適切なマクロの量を計算する」「計画の微調整をする」について話していこう。

第3ステップ 適切なマクロの量を計算する

摂取カロリーの計算が完了したら、今度はそれを主要栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質に分ける。もちろん、ここでもいい加減に分けるのではなく、理想の割合でそれぞれの栄養素が摂取できるように計画を立てなければならない。1日に摂取すべきカロリー量の範囲内で、どの栄養素をどれだけ摂取するかは体組成に影響してくることなのだ。

炭水化物、脂質、タンパク質を理解して体重をコントロールする 後編
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

主要栄養素

●炭水化物:体のエネルギー源になるという点では3つの栄養素(タンパク質、炭水化物、脂質)のどれにも共通したことだ。しかし、体にとって最も使いやすいエネルギー源は炭水化物である。炭水化物1gは4キロカロリーに相当する。

●タンパク質:筋量を増やすことを目的にしている人にとって、特に重要なのがタンパク質だ。タンパク質1gも4キロカロリーに相当する。

●脂質:脂質は高カロリーな栄養素で1gで9キロカロリーある。

内臓器官が正常に機能するためにはたくさんのカロリーが必要であり、その点を考えると減量中であっても「食べない」という選択肢はとても勧められない。また、良質で健康的な脂質もあるので、そういったものを選択して食べれば、それが原因で太ることはない。むしろ、そのような脂質が食事に含まれていると、体脂肪の減量が促進されることが多くの研究で示されている。

マクロに分割する

さっそく1日に摂取するカロリーを3つの栄養素に分割してみよう。どの栄養素をどれだけ摂取するかを計算するには、理想の割合を用いる。つまり、全体の食事の45%を炭水化物から、35%をタンパク質から、そして20%を脂質から摂取するようにする。

●体重75㎏の人が筋量を増やしたい場合
第2ステップで示したとおり体重75㎏の人が筋量を増やしたい場合、1日に摂取すべきカロリー量は2617・5キロカロリーになる。これを45% の炭水化物、35%のタンパク質、20%の脂質に分ければいいので、具体的には以下の数値になる。

①炭水化物(1g4キロカロリーで全体の45%)
2617・5キロカロリー×45% ÷4キロカロリー= 約294g
②タンパク質(1g4キロカロリーで全体の35%)
2617・5キロカロリー×35% ÷4キロカロリー= 約229g
③脂質(1g9キロカロリーで全体の20%)
2617・5キロカロリー×20% ÷9キロカロリー=約58g

※各栄養素のグラム数を算出したら、それぞれを1日に摂取する食事回数で割ると、1回の食事でどれだけの炭水化物、タンパク質、脂質を摂取すればいいかが分かる。

●体重75㎏の人が減量をしたい場合
第2ステップで示したとおり体重75㎏の人が減量をしたい場合
1日に摂取すべきカロリー量は1817・5キロカロリーになる。これを45%の炭水化物、35%のタンパク質、20%の脂質に分ければいいので、具体的には以下の数値になる。

①炭水化物(1g4キロカロリーで全体の45%)
1817・5キロカロリー×45% ÷4キロカロリー= 約204g
②タンパク質(1g4キロカロリーで全体の35%)
1817・5キロカロリー×35% ÷4キロカロリー= 約159g
③脂質(1g9キロカロリーで全体の20%)
1817・5キロカロリー×20% ÷9キロカロリー=約40g

※各栄養素のグラム数を算出したら、それぞれを1日に摂取する食事回数で割ると、1回の食事でどれだけの炭水化物、タンパク質、脂質を摂取すればいいかが分かる。

第4ステップ 計画の微調整をする

3ステップで示した炭水化物45%、タンパク質35%、脂質20%の割合はあくまでも目安だ。この割合は多くの人に適用することができるが、自分の体質に合わせて微調整することで、さらなる効果が期待できるはずだ。例えば基本の割合で2、3週間様子を見てから、変化があまり見られないようなら自分に合わせて調整してみよう。微調整する場合は以下の事柄を参考にするといいだろう。

炭水化物、脂質、タンパク質を理解して体重をコントロールする 後編
(画像=『FITNESS LOVE』より 引用)

【筋量を増やしたい場合の調整】
炭水化物とタンパク質を増やし、脂質を少なめにするといい。例えば、炭水化物は40〜60%、タンパク質は25〜35%、脂質は15〜25%の範囲内にする。どの栄養素も体作りに不可欠なので、決して特定の栄養素を極端に減らすようなことはしてはならない。

【減量したい場合の調整】
体脂肪を減らして減量したい場合は、炭水化物を減らしてみるといいだろう。例えば炭水化物を10〜30%、タンパク質を40〜50%、脂質を30〜40%にしてみる。

【注意】
目的に合わせて、現状維持カロリーより摂取カロリーを増やしたり減らしたりすることが勧められるわけだが、総摂取カロリーを変化させ、同時に3大栄養素の割合も変化させるようなことはしないほうがいい。なぜなら、それで結果が得られても、栄養素の割合が適していたのか、あるいはカロリー量が適切だったのか判断できなくなるからだ。カロリー調整、割合調整をする場合は、どちらか一方だけを調整するようにしたほうがいい。また、当然のことではあるが、計画を立てたらそれに沿って食事ができているかどうか、体に変化が得られたかどうかを定期的に判断するために日誌をつけることを勧めたい。日誌があれば、後に微調整が必要になったときに参考にすることができるはずだ。

by Jenny Westerkamp, RD,

提供元・FITNESS LOVE

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