なぜこんな名前に?

ウッカリカサゴはカサゴによく似ており、かつて長らく同一種であると思われてきました。分類学者もうっかりしていたということで、このような和名になったのです。

オジサンは、海底に潜る餌を見つけ出すためのヒゲが生えた「ヒメジ」という魚のグループの一種です。オジサンそのものにも立派な髭が生えており、そのために小笠原で「オジイサン」と呼ばれていたものが転訛し、このような和名になったと考えられています。

キタマクラはフグの一種で強い毒を持っており、不用意に食べると死んでしまうためにこのように名付けられました。我が国では古くから、遺体を安置する際には頭を北に向け「北枕に寝かす」ことに由来しています。

「モノノケトンガリサカタザメ」に「ボウズコンニャク」 変な和名の魚達
(画像=キタマクラ(提供:PhotoAC)、『TSURINEWS』より 引用)

ほかにも、古くから知られる魚には「詩的」あるいは「風流」な名前をつけられたものが少なくありません。これらの例からも分かる通り、和名は比較的「適当な理由」で名付けても許される側面があるといえます。

実は分類学上重要なのは、世界共通で使用されるラテン語の学名。標準和名は国内で便宜的に用いられているもので、そこまで重要ではないということもできます。そのため、ある程度まではユニークな命名をすることが許されているといえるのです。

なお、あくまで噂ですが、面白い和名をつけたいがために分類学者になるという人もいるそうです。

<脇本 哲朗/サカナ研究所>

緊急事態宣言は解除されましたが、外出については行政の最新情報を確認いただき、マスクの着用と3密を避けるよう心がけて下さい。一日も早く、全ての釣り場・船宿に釣り人の笑顔が戻ってくることを、心からお祈りしております。

提供元・TSURINEWS

【関連記事】
ゼロから始める「カヤックフィッシング」 マダイを釣るためのキホン5選
船長に聞く「沖釣り初心者の心得」:東京湾LTアジ 厳選船宿8選も紹介
大豆ではなく「魚で作った」味噌とは? 実は各地に存在する発酵魚介食材
干物にすると飛躍的に美味しくなる海釣りターゲット4選
釣り編集者が上天草へお試し移住 移住家族に聞く「リアルな本音」とは?