商品やレストラン、ホテルを選ぶ際、今やオンラインレビューは欠かせません。
だからこそ、サービス提供者と消費者の両方は、オンラインレビューを書いた人がどんなことに影響を受けているのか知っているべきです。
最近、スイス・ルツェルン大学(University of Lucerne)経済経営学部に所属するレイフ・ブランデス氏ら研究チームは、オンラインレビューの内容が天候に左右されていると発表しました。
オンラインレビューを書く人は、雨の日にネガティブな内容をたくさん投稿する傾向にあったのです。
研究の詳細は、2022年1月28日付の学術誌『Journal of Consumer Research』に掲載されました。
雨の日にはネガティブな長文レビューがたくさん投稿される
私たちの多くは、オンラインレビューの評価やメッセージを確認し、その内容から影響を受けます。
大抵の場合、サービスや商品は5つ星で評価され、投稿されたメッセージから評価の理由を詳しく知ることができるでしょう。
実際に私たちは、「星4.5だから、かなり良いサービスが期待できる」などと考えて、商品やサービスを選択するのではないでしょうか。
当然ながら企業側も、肯定的なレビューが得られるよう努力を払います。
とはいえ、オンラインレビューの評価は、消費者たちの一時的な感情の影響を受けてしまいます。
では、それら投稿者たちのレビューに影響を与える要素には、どんなものがあるのでしょうか?
研究チームは、天候とオンラインレビューの関連性を調査することにしました。
今回の研究では、12年間のホテル評価(星1~5)と、レビュー投稿者の自宅またはホテル住所の天候情報を組み合わせたデータセットが用いられました。
つまり、利用者が投稿した評価とその時の天候の関係を調べたのです。
その結果、雨の日に投稿されたレビューの数は、晴れの日に比べて6.5%増加していました。
しかも雨の日に下される評価は、平均して星0.1個分低くなっていたのです。
また約30万件のレビューテキストを分析した追加調査では、雨の日にはポジティブな単語が使われにくくなる代わりに、文量が多くなり、詳細な内容が投稿されると判明しました。
つまり雨の日は、外出できないなどの理由で暇を持て余し、レビュー投稿する人が増える傾向にあったのです。
しかも投稿者たちは悪天候ゆえネガティブになっており、その感情が低評価やネチネチとした長文となって表現されていました。
こうした研究結果は、企業側のレビュー管理に役立つ可能性があります。
特に新商品・新サービスを提供する際には、天気予報を見てから日程を決めると良いかもしれません。
また私たちも、この程度の要因で評価が変動してしまう商品レビューについては、利用の仕方に注意を払う必要があるでしょう。
何事においても、人の意見は真に受けすぎないことが重要なのかもしれません。
参考文献
Meteo può influenzare nostre recensioni online secondo studio
元論文
Offline Context Affects Online Reviews: The Effect of Post-Consumption Weather
提供元・ナゾロジー
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