政府は5月26日、新型コロナウィルス感染拡大をうけて2020年4月から停止していた海外からの観光客の受け入れを6月10日から解禁することを決めた。実に2年2カ月ぶりの再開だ。しかし、全面解禁というわけではなく、受け入れは添乗員付きのパッケージツアーだけで、1日当たりの入国者上限は約1万人から約2万人に引き上げられるだけで、観光客の受け入れもこの枠内での受け入れだ。パッケージツアーに限定されるのも行動や感染状況を管理しやすくするため。また受け入れ地域は、リスクに応じて「青」「黄」「赤」の現在3分類されているうち最もリスクの低い「青」の地域のみだ。

 これだと年間で730万人ほどだ。訪日外国人のピークは、2019年の3188万人だからそれに比べれば4分の1程度で、ないよりはマシという程度かもしれないが、旅行業界、小売業界などを元気付ける効果は大きい。さらに段階的な入国制限解除を期待したいものだ。

 こうした「解禁」は、内外の感染状況が比較的落ち着いていることを受けての決定だ。しかし、現在日本では連日全国で3万人、東京でも3000人を超える新規感染者を記録している。もちろん全国で1日10万人を突破した新規感染者を記録した今年2月上旬のピークに比べれば確かに落ち着いて来てはいるが、予断は許さない状況が続いていることは間違いない。結局、自分の身体を守るのは自分ということだ。

 オミクロン株はワクチン接種さえしていれば重症化リスクは小さいということで、全世界的に「パンデミックからエンデミック」という経済優先・学校優先「解禁」の動きが本格化している。もうよほどのことがなければ、逆戻りはないだろう。ただし、慎重論が根強い日本では、マスクをしないで生活するのはまだまだ先のことになりそうだ。とにかく、コロナとの戦いは最終コーナーを迎えているようだ。このまま終焉を迎えることをただただ祈るばかりである。

文・三浦彰/提供元・SEVENTIE TWO

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