要介護度が高く施設に預けられるのに在宅介護を続けた2つの理由

ヤングケアをする中、経済的な事情でやむなく在宅介護をしないといけない人が少なくないのです。

費用面は、在宅介護が毎月10万、施設に預けたら毎月20万以上と倍ぐらい違います。介護サービスは、毎月利用できる上限額が決まっています。

筆者の場合、在宅介護3年目までは祖母が要介護1か2だったので、月2回のショートステイサービス(短期入所)を除き、毎日在宅介護するしかありませんでした。

とはいえ、原則要介護が3、4、5になれば月10万円位で入所可能な特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)といった老人ホームが利用可能になります。

にもかかわらず、私が祖母を6年間在宅介護し続けたのは2つの理由があります。

一つは、私が小学生の頃に母親が離婚して、祖母が「母親、私、弟、妹の面倒をみる」と数千万かけて家を購入してくれました。

そして、祖母は私たちに「お父さんがいる家に負けたと思われたくないんだよ」と言いながら、一生懸命働きつつ私たちを何不自由なく育ててくれました。

特に私は、祖母に兄弟の中で一番可愛がられて、服やおもちゃは一番に買ってもらう、お小遣いの額は多い、兄弟で唯一大学へ進学させてもらったんです。

このように、母親のように育ててくれた祖母を一日でも長く一緒に寄り添いたいと思いました。

それと、もう一つは誰にも話せない祖母のある事情がありました。

「私の家庭は大丈夫、他人事」と思っていてるあなたこそ「ヤングケアラー予備軍」です。

この週末や年末年始、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で自宅で家族と過ごす方も多いでしょうから、介護について話し合い、拙著でヒントを得ていただければ幸いです。

『おばあちゃんは、ぼくが介護します』(株式会社法研)12月9日発売。

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Youtubeチャンネルで祖母と私のやり取りやここだけしか言えない介護の話など配信開始。

文・奥村 シンゴ/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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