A.精度に影響が出る

機械式時計は、細く長い主ゼンマイが渦状に巻いていて、このゼンマイのほどける力が香箱(こうばこ。主ゼンマイを収めている丸缶状の歯車)を通じて各歯車に伝達され、テンプ、がんぎ車からなる調速機が時計の駆動に適した速度に調節して針を動かす仕組みである。

このゼンマイがほどけきってしまうと、時計の動きが止まる。つまり、ゼンマイを最大まで巻き上げた状態からほどけきるまでの時間が、商品スペックに書かれている機械式時計の最大駆動時間(パワーリザーブと表記される)となる。

そのためゼンマイを最大まで巻き上げた状態であれば問題なく精度が出るのだが、ゼンマイが解けてきて歯車などに供給される力が弱まると、精度にも多少なりとも影響を及ぼす。

さらに商品スペックにある精度の基準(日差+25秒~-15秒など)は、最大巻き上げ時という前提がつくことが多いため、ゼンマイの残量不足のまま使い続けると、その時計が基準としている精度が出にくくなるというわけだ。

【時計知識】巻き上げたゼンマイの残量が少なくなるとどうなるのか
(画像=こちらが主ゼンマイ。なお精度が落ちる、いわゆる時計に進みや遅れが生じる具体的な秒数はメーカーによって異なる、『Watch LIFE NEWS』より 引用)

文◎松本由紀(編集部)

提供元・Watch LIFE NEWS

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