GOS事態によりGalaxyが信頼を失う危機に直面している。世界1位をしっかり守ってきたサムスンスマホのシェアは最近下落傾向が顕著となっている。 特に「プレミアム」市場はアップルに押され、中低価格帯では中国製の後発走者に追われる様相だ。 過去10年間、Androidフォンの盟主とされてきたサムスンの地位が揺れているという。韓国メディア「マネートゥデイ」が報じた。(写真:2016年当時Galaxy Note7の発火問題を受け謝罪するサムスン電子無線事業部長(社長)=サムスン電子)

サムスン電子のGalaxyが危機に直面したのは今回が初めてではない。2016年8月の「Galaxy Note7」が代表的だ。公式販売直後、世界のいたるところでバッテリー発火事故が相次ぎ、深刻な品質議論が起きた。数人のユーザーがやけどをし、米国、英国、シンガポールなどの主要国でNote7の航空機搬入が全面禁止されるなど、事態は収拾のつかないほど拡散した。当時、ネットユーザーはNote7を「デスNote」、「時限爆弾」と呼んで不安に震えた。

結局、サムスン電子は市販された物と海外の取引先に供給されたNote7の全体物量250万台をすべてリコールすることにした。バッテリー発火疑惑が提起されてから、わずか9日ぶりのことだ。サムスンフォンのリコール決定は史上初のことだった。直接損失は3兆ウォン(約2843億円)、機会費用などを含めれば、最大7兆5000億ウォン(約7108億円)の被害を被った。無線事業部のコ・ドンジン社長(当時)はリコール決定を発表する記者会見で「信頼を失わないためにも消費者が理解できる措置を取るべきだと考えた」と頭を下げた。

その後、Note7は、発売から54日後に、早めに生産中止となった。「Note7」によるこれ以上のブランドイメージの毀損を防ぎ、事故原因の究明に集中し、同じことを繰り返さないことのほうがより重要だという判断からだ。サムスンは、発火事例が初めて報告されてから5ヵ月後に、バッテリーの製造上の欠陥を直接的な原因として最終結論を下した。原因分析を基に、従来の5段階のバッテリー安定性検査を8段階へと大幅に強化し、消費者が使用中に製品を落としても物理的衝撃を最小化する装置を追加で盛り込むなど、再発防止対策もまとめた。

次回作のGalaxy S8は、発売日も見送り、安全性検証に集中した。毎回、2月末にスペインのバルセロナで開かれるMWCでGalaxy Sの新製品を初公開した慣例を破り、2017年4月末になってようやく市場にGalaxy S8を出した。結果的にGalaxy S8シリーズは、発売初日だけで歴代記録の25万台が開通し、結果としてNote7の悪材料を取り除くことができた。

当時の事件で、サムスン電子がユーザーの安全を最優先価値にすることになったという。GOSが拡大採用されたのもそのためだが、その後、Galaxy S22では発熱への懸念が高まり、平時より過度にGOS(ゲーム最適化サービス)を強制し、今回の事態が起きたという。

今回の議論がバッテリー不良から触発された「Note7事件」とは本質的に異なるという指摘も出ている。サムスン電子は、「安全を懸念したGOS強制採用が、顧客らに不要な誤解を招いた」と釈明した。ただ、初期ユーザーらとのコミュニケーションが足りなかったという批判は避けられそうにない。放熱設計を巡る議論はさておいても、初期の一部ゲームマニアらだけの過度な問題提起と決め付けたのが、事態をさらに拡大させたという。実際、サムスンがその後、掲示板を通じて謝罪し、ソフトウェアアップデートで顧客がGOS稼動を選択できるように転換するなど収拾に乗り出したが、依然として消費者の反発が収まっていない。

IT業界の関係者は「損傷した消費者の信頼を回復するためには、過去のGalaxy Note7当時のように経営陣が直接乗り出して機器に対する検証と過失の有無など議論の実体を明確に解明し、必要な措置を取らなければならない」と述べた。

提供元・コリア・エレクトロニクス

【関連記事】
韓国の双竜自動車が日本で販売?「ヒュンダイも撤退したのに…」 韓国紙が関心
韓国がパワー半導体のSiC素材検査技術を国産化…「日本の半分のコストで開発」
LGグループが日本法人社屋を約200億円で急遽売却へ
米特許登録数 IBM1位、サムスン2位、LG3位、4位キャノン
フォルクスワーゲンが韓国二社とのEV電池取引を打ち切りか…特許紛争に嫌気?