サムスン電子がグローバルテレビ市場で低迷している。16年連続で守ってきたテレビ市場トップの座が危うくなる可能性もあるという声も聞こえる。韓国メディア「ajunews」が報じた。(写真:CES2022で展示されたサムスンディスプレイのQD-OLED=聯合ニュース)
プレミアム市場を攻略するための有機発光ダイオード(OLED)テレビの導入が遅れているからだ。このようになれば、サムスンディスプレイまでOLED転換に支障を来たしかねないという懸念が出ている。
15日、サムスン電子によると、昨年、世界テレビ市場でのサムスン電子の市場シェアは減少した。昨年の事業報告書でテレビ製品のシェアは29.5%を記録したと明らかにした。前年(31.9%)と比べて2.4%ポイント減少した。これは2018年に29%のシェアを示して以来、約3年ぶりに再び20%台に進入したものだ。
一方、LG電子は小幅ながら持続的に上昇を見せている。市場調査会社のオムディアによると、LG電子は昨年、世界のテレビ市場でのシェアは18.5%と、過去最高水準を記録した。これは前年(16.5%)比2%増えたものだ。2019年に16.3%のシェアを記録して以降、テレビ市場内での立地を拡大し続けている。
業界では今年、両社ともグローバルテレビ市場内でのシェアが20%台に止まりかねないという見方が出ている。そうなれば、シェアの間隔は一桁に縮まることになる。OLEDテレビを拡大しているLG電子に比べて液晶表示装置(LCD)に集中しているサムスン電子が新しい製品でいわゆる「ターニングポイント」を用意しなければならないという話が出る理由だ。
実際、昨年にサムスン電子消費者家電(CE)部門のテレビなど、映像機器工場の稼動率も下がった。生産能力対比生産量が少ないという意味だ。昨年、該当部門の稼動率は81.4%と、前年(93.6%)比下落した。かつてに比べ、サムスン電子のテレビ需要が減り、稼働率も同様に下がったのではないかという見方だ。
これについてサムスン電子の関係者は「昨年上半期を過ぎてペントアップ需要が落ち込み、テレビ市場の需要が全般的に減った」とし「稼働率が下落した正確な原因は把握しにくい。しかし、キャパ(生産能力)が伸びたが、生産量がそのままなのでそうなるかも知れない。または昨年のコロナ19によるベトナム工場に影響がある可能性もある」と説明した。
サムスン電子のOLEDテレビの導入が遅れ、サムスンディスプレイまで打撃を受けるだろうという見方も出ている。サムスン電子のDS部門に属するサムスンディスプレイは、サムスン電子のテレビにパネルを供給する。昨年末、初めてクォンタムドット(QD)OLEDパネルの量産に入ったが、以後、相変わらずキャパ拡大などの計画がない状況だ。
現在、サムスンディスプレイは忠清南道牙山(チュンチョンナムド・アサン)キャンパスのQ1ラインでだけQD-OLEDパネルを生産している。今年上半期以内にLCDパネルを生産中のL8-2ラインを中止する計画だが、当該ラインをQD-OLEDパネル生産ラインに転換するかは未定だ。業界では結局、主要顧客であるサムスン電子にOLEDパネルの供給が始まってこそ、本格的な成長が実現するだろうという見方だ。
これについてサムスンディスプレイの関係者は、「初期QD投資計画の発表当時、市場や消費者の反応など市場状況を見ながら追加投資を検討するとしたが、今も大きく変わっていない」と述べた。続いてL8-2ラインに対する今後の活用計画も「まだ決まっていない」と言い切った。
提供元・コリア・エレクトロニクス
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