抗酸化物質に関する情報は、スポーツ界のみならず一般社会にも溢れるほど存在している。スーパーに行けばさまざまな商品に「抗酸化物質添加」といった一文が加えられたりしてるのを目にしたりするわけだが、どうして人々は抗酸化物質に興味を持つようになったのか。それは、抗酸化物質はさまざまな感染症の予防や治癒に貢献してくれるからだ。さらに老化を遅延させるのも抗酸化物質の持つ大切な役割の一つだ。
文:ROBERT SEBASTIAN, MA, RD
翻訳:ゴンズプロダクション
抗酸化物質は体内でどのように作用するのか。このことが理解できれば、抗酸化物質はとても価値のあるものだということが分かるはずだ。では主な抗酸化物質とはなんだろうか?
ビタミンA
昔からビタミンAは視力や骨の発達の促進に働くとされてきたが、実際はそれだけではない。白血球や抗体の生成を活性化して免疫系を調整する役割をも担っているのだ。また、皮膚や粘膜を正常に保つためにも働くので、外部からのバクテリアや有毒物質を防御する力が高まる。最近の研究では、ビタミンAがフリーラジカルを中和したという結果も報告されている。ビタミンAを多く含むのは色の明るい野菜だ。ニンジン、ホウレンソウ、ピーマン、ケールなどがその一例だ。また、アンズやカンタロープ(メロンの一種)にもビタミンA は多く含まれているし、牛レバーや鶏レバー、牛乳や卵もビタミンAを含む食材である。
ビタミンC
ビタミンCは風邪の予防に働くということで北アメリカでは最も一般的なビタミンサプリメントになっているようだ。ビタミンCも十分な量を摂取することで強い抗酸化作用が体内で発揮される。また、ビタミンCは大気汚染や受動喫煙(副流煙)などの環境汚染によって生じたフリーラジカルの中和を助け、体内でコラーゲンの生成を促して肌の弾力維持にも貢献してくれる。 ちなみに、研究者たちによると、日頃からビタミンCの摂取量が多い人は肥満になりにくい傾向があるそうだ。もしそうだとするなら、シェイプアップされた体を目指す人たちは、ビタミンCが豊富に含まれるキウイフルーツ、ブロッコリー、柑橘系果物、カシスなどの野菜や果物を積極的に食べるようにするといいだろう。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性でαトコフェロールを含有している。強力な抗酸化作用を持つことが知られていて、進行中の酸化ストレスに働きかける。特にLDLコレステロール(低密度リポタンパク)の酸化を抑制するので、冠状動脈の健康を保つのに役立つ。ビタミンEは植物性油、ナッツ、ホウレンソウ、キウイなどに多く含まれる。
リコピン
カロチノイドは赤、黄色、オレンジなどの天然色素の一群であり、強い抗酸化作用を発揮することが知られている。リコピンもカロチノイドの一つで、複数の研究で皮膚の老化速度を遅延する作用が確認されている。ビタミンCなどは熱を加えると壊れてしまうが、リコピンの強みは、これを含む食材を加熱することでさらにリコピンの生体利用価が高まる点にある。リコピンというとトマトを真っ先に思い浮かべるが、トマト以外にもスイカやピンクグレープフルーツなどにも豊富に含まれている。
αリポ酸
αリポ酸は、かつてはビタミンの一種だと認識されていた。というのも、ビタミンCやEが欠乏したときに現れる症状をαリポ酸が緩和したという実験結果が得られたためだ。αリポ酸は脂肪酸で、細胞内でエネルギーが生み出されるのを促す働きを持つ。前立腺の病気を予防するとも言われており、さらには神経系をフリーラジカルの攻撃から守ったり、あるいはダメージ後の神経を癒やす働きもあるようだ。ビタミンEと同じように、αリポ酸もLDLコレステロールの酸化を抑制する働きがある。つまり、健康な血管を維持するのに役立つというわけだ。αリポ酸を多く含む食材にはクルミ、大豆、フラクシードなどがある。
セレニウム
セレニウムはミネラルであり、血中に浮遊するフリーラジカルを吸着する働きがある。セレニウムに吸着させることで、フリーラジカルの持つ細胞を攻撃する能力は奪われるのだ。また、セレニウムには細胞の退化を抑制し、免疫系や甲状腺の働きを活発にする作用もある。細胞の正常な機能を維持するために働いてくれるので、総合的な健康増進に役立つといっても過言ではない。ただ、セレニウムのサプリメントを過剰に摂取したりすると、セレン中毒症を発症する危険性が増すので、1日に400マイクログラムを超えないように注意しよう。セレン中毒症になると髪が抜けやすくなり、神経障害、胃腸障害などが出やすくなる。セレニウムは全穀粒、ナッツ(特にブラジルナッツ)、卵や魚に多く含まれる。
提供元・FITNESS LOVE
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