地球温暖化の主な原因として矢面立っている二酸化炭素。

しかし、二酸化炭素はなぜ温室効果を持つのでしょう?

なぜ、他の空気中の分子である酸素や窒素にはそうした効果がないのでしょうか?

これには、分子が持っているバネのような構造に秘密があります。

今回は、身近な気体「二酸化炭素」の温室効果について解説していきます。

二酸化炭素が持つ温室効果の最初の発見者

二酸化炭素はなぜ温室効果ガスなのか?
19世紀のアマチュア科学者ユーニス・ニュートン・フット / Credit:NOAA Climate.gov.,Happy 200th birthday to Eunice Foote, hidden climate science pioneer(画像=『ナゾロジー』より 引用)

二酸化炭素などの温室効果が地球の気候を変えるという可能性を最初に指摘したのは、1961年に発表されたジョン・ティンダルの研究とされています。

しかし、実際は二酸化炭素が温室効果を持つという事実を最初に発見したのは、19世紀の女性科学者ユーニス・ニュートン・フットでした。

彼女は1856年、「Circumstances affecting the heat of the sun’s rays(太陽光線の熱に影響を与える状況)」というタイトルで、アメリカ科学振興協会(AAAS)に論文を発表しています。

フットは2つのガラスシリンダーに、さまざまなガスを送り込み、太陽光線を当てた際の温度がどう変化するかを比較実験しました。

その結果、フットは炭酸ガス(二酸化炭素)の割合が多い場合、通常の空気より閉鎖空間は早く加熱され、冷却されのも遅くなることを発見したのです。

そして、彼女は論文の中で「このガスがより多く空気の中に含まれるようになれば、私達の地球をより高温にしてしまうでしょう」と語ったのです。

時代に先行したフットの研究でしたが、しかし彼女は女性であったため、残念ながらこの研究はあまり注目されませんでした。

しかし、それは現在の私たちがよく知るように、地球環境を脅かす現実的な脅威となっています。

では、なぜ二酸化炭素は温室効果と呼ばれる現象を起こすのでしょうか?