私たちは頭痛や不眠などの症状から「ストレスを抱えている」と自覚できます。

しかし、ストレスの度合いを定量化して客観的に知ることはできません。当然、正常な状態と比較して、「どれだけストレスがたまっているか」判断することも難しいでしょう。

最近、スイス連邦工科大学ローザンヌ校に所属するナノテクノロジー研究者エイドリアン・イオネスク氏ら研究チームは、汗からストレスレベルを測定するパッチを開発したと発表。

詳細は、1月19日付けの科学誌『Communications Materials』に掲載されました。

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汗に含まれるコルチゾールレベルを測るパッチ

汗に含まれるコルチゾールレベルを測るパッチ

汗からストレスレベルをモニタリングできる装置を開発中
(画像=汗に含まれるコルチゾールを検出するパッチ / Credit: Adrian M. Ionescu,『ナゾロジー』より 引用)

私たちがストレスを感じる時、身体はホルモンの一種である「コルチゾール」の分泌を増加させます。

一時的なコルチゾールの過剰分泌はストレスから身を守るために必要ですが、長期化することで様々な悪影響を与えると考えられています。

コルチゾールは唾液や汗、おしっこから検出できます。

そのため研究チームは、汗からコルチゾールを検知できるパッチを開発し、身体に貼り付けることでコルチゾールレベルを定量化・追跡することに成功しました。

このパッチには、グラフェン製の「拡張ゲート電界効果トランジスタ(EG-FET)」が利用されており、汗に含まれる少量のコルチゾールを分析できるとのこと。

パッチは1日のコルチゾールレベルを記録できるため、装着者は自分の1日のストレスレベルを客観的に把握できるでしょう。