コロナ禍による巣ごもりでペットと過ごす時間が長くなり、家族の一員という思いがさらに定着してきたことも踏まえ、ペット同伴の旅行需要を掘り起こす動きが広がりを見せている。JR東日本グループは西武ホールディングスなどと組み、日本初の新幹線を利用したペットツーリズムの実証実験を行う。スターフライヤーは提供中の定期便機内ペット同伴サービスに加えて専用チャーター便を運航する。旅行時のネックとなりがちな公共交通機関による移動の新たな可能性を探る。

JR東日本は5月21日から1泊2日で愛犬同伴の軽井沢への旅を設定した。最大のポイントは、往路の上野/軽井沢間の新幹線の一部車両を専用に貸し切ること。乗車後約40分間にわたり愛犬をケージから出し、乗客の膝の上やカバーをかけた座席シートの上で、自宅にいる時のようにくつろいで一緒に旅を楽しめる。専用列車を用いたペットツーリズムの実証実験の位置づけ。

30組限定の募集で、旅行代金は往路の新幹線代、宿泊料金(朝食付き)、1頭分のペット料金を含み2人1組10万6000円から(1人の場合6万7000円から)。獣医師・トレーナーが同行して旅行をサポートする。宿泊は愛犬と泊まれるドッグコテージがある軽井沢プリンスホテルなどを利用する。

ユニ・チャームは、同社製品のペット用おむつを着用して愛犬を同伴できる場所や時間を増やしていくプロジェクトを立ち上げた。スターフライヤーと福岡のハッピートラベルが賛同。その一環として5月29~31日の2泊3日で羽田/福岡間の専用チャーターフライトによる福岡・長崎ツアーを実施する。4人1部屋の場合、通常料金大人1人22万9800円から(1頭分のペット料金含む)で販売し、市場拡大を図る。

提供元・トラベルジャーナル

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