マイクロマーケットの秘める大きな可能性

「600」社 久保渓社長

 現在のところ、マンション向けには常温もしくは冷凍のみで、冷蔵のサービスがないことについて久保氏は、「われわれがターゲットとしている徒歩1分・50m商圏のマイクロマーケットでは、冷蔵の食品に大きな需要はないと見ている。冷蔵の日配品や生鮮食品を購入したい場合、スーパーマーケットなどへ出向いて選んで購入する場合が多いのではないか」と話す。また、冷蔵品は賞味期限が短いという問題もあり、管理コストなどを考えるとあまり現実的ではないようだ。ただし、冷凍に関しては「今後パン以外にもラインアップの幅を広げていきたい」(久保氏)と意欲を見せた。

 マイクロマーケットの今後についても考えを聞いた。「現在はスーパーからコンビニ、そしてマイクロマーケットと商圏がどんどん小さくなっている時代。今後、マイクロマーケットはコンビニと同じくらいの2兆円市場に拡大していくと考えている。現在はマンションに焦点を合わせた開拓を行っているが、さまざまな場所で極小マーケットを開拓していきたい」(久保氏)。

 「1分あれば何でもできる!」をビジョンに掲げる「600」社。同社の展開する徒歩1分圏内での極小商圏ビジネスは大きな可能性を秘めていそうだ。

提供元・DCSオンライン

【関連記事】
「デジタル化と小売業の未来」#17 小売とメーカーの境目がなくなる?10年後の小売業界未来予測
ユニクロがデジタル人材に最大年収10億円を払う理由と時代遅れのKPIが余剰在庫を量産する事実
1000店、2000億円達成!空白の都心マーケットでまいばすけっとが成功した理由とは
全85アカウントでスタッフが顧客と「1対1」でつながる 三越伊勢丹のSNS活用戦略とは
キーワードは“背徳感” ベーカリー部門でもヒットの予感「ルーサーバーガー」と「マヌルパン」