感染症危険情報や帰国時行動制限の緩和により、3年ぶりに海外ツアーが催行されたゴールデンウイーク(GW)は日系航空大手2社がハワイに計5371人を運び、本格再開へのろしを上げた。需要の高まりを受け、全日空は羽田/ホノルル線増便と成田/ホノルル線再開を決め、超大型機A380型を投入する予定であるなど、供給体制も整いつつある。GWを機に募集型企画旅行を再開した旅行大手は、コロナ禍前に比べ大幅な回復には至らなかったものの今後に手応えを得ている。
エイチ・アイ・エス(HIS)はGW期間中の販売実績について、「19年同期比で1割程度だが、20~21年に比べ動き出したことは間違いなく、ようやく底を打ったと言い切れる年になった」と話す。手配旅行や航空券単品に加え、ハワイは5月1日出発分からパッケージツアーを販売。全方面で取り扱いの多くが航空券だが、ハワイツアーは平均滞在日数がコロナ前より長めの傾向が見られたという。
ハワイ・グアムを含む米国5都市へのツアーを販売した楽天も実績は同様で、「再開直後だったことや入国者数上限、航空便数も影響し、大幅な回復には至らなかった」という。ただ、GW期間中も先の日程のツアー受注は好調で、市場が動き出している。JTBは5月9日時点で9月末までの予約が全国で約1000人。夫婦や家族を中心にウエディングの問い合わせも増えている。
コロナ前に比べ、楽天は客層に変化が見られた。同社は20~40代が顧客の中心だが、50~60代が増加している。一方、HISは問い合わせ内容が細かくなっているといい、「今後すべての方面で海外旅行が再開した際には、接客時間が以前より長くなることが予想される」とみている。
提供元・トラベルジャーナル
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