男女の感覚は異なる
このようなテーマが持ち上がるたびに言いたいことは、「男女の感覚は大きく異る」という点です。男性は出産・妊娠で働けなくなる期間はありませんし、配偶者の転勤を機に退職や転職も基本的にありません。しかし、女性は出産を取れば、キャリアが難しくなるなど人生の選択肢がトレードオフになる局面が少なくありません。最近は会社のキャリアに縛られない、フリーランサーとしての生き方も出てきて、変わりつつはありますがそれでも仕事といえば会社に務めるのが一般的ですから、男女で仕事への感覚は異なります。
この前提に立つならば、女性は妊娠、出産中は仕事から離れる事になり、その間のファイナンシャルサポートを意識せざるを得ません。「奢らない=いざという時に頼れない」というリスクを感じて、トピ主のような不安につながる事はよく理解できます。
私はまず、両者で感覚の違いを話し合うところからスタートするべきと考えます。結果、どちらかが相手に譲歩をするか、折衷案を出すしか解決する方法はないのです。これは男女の感覚の違いによる問題なので、話し合いは不可避でしょう。
「男・女」ではなく、個人の価値観を尊重
「女性はみんな奢られたいと思っている」というわけではないように、性別という大きな単位で捉えてしまうと、大衆には受けるけど実際に付き合う相手からは嫌われてしまう、ということが起こりえます。私は過去に(もう10年以上前ですが…)、職場の同僚の女性と食事に行って相手に奢ろうとした時に「あなたと付き合ってもいないのに、そういう事をされるのは少し不快だ」と言われてしまったこともあります。男性はこう、女性はこう、とくくる以前に個々人の価値観はあまりにも異なります。
まずはお互いの価値観を理解するためにも、話し合って意見を交換しあい、相手を理解する事がファーストステップではないでしょうか。私自身、話し合いの結果、奥さんと共同財布を作ったことで、「今回の支払いはどうする?」という、面倒な葛藤が雲散霧消して、非常に気が楽になった事を覚えています。
今回の件に限らず、男女のすれ違いの最大の要因は、コミュニケーション不足にあると感じます。
黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表
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文・黒坂 岳央/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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