自然あふれる田舎での生活には、“暮らす楽しみ”を増幅させてくれる住まいが理想的だ。田舎だからこそ住みたい“粋”な家として、今回は「古民家」を紹介する。

経年の味わいとリノベーションを楽しめる古民家へ移住

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

家に住みたいと思う人は多いだろう。しかし、理想の物件に出会うのは容易ではない。東京・奥多摩町で築150年の古民家に暮らす鈴木里華さんは、都心から移住する際、現地で聞き込み調査をしながら空き家を探したという。

「当時は空き家バンクもなく、不動産にも物件はほぼない状態。駅から徒歩圏内の場所を歩いて、『空き家ありますか?』と訪ねてまわりました。道中で出会った人が紹介してくれたのが、今の物件です」
 

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

 

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

飛び込みで交渉した結果、広い庭と立派な蔵、畑、竹林まで付いた古民家は、「大切に管理してくれるなら」と、格安の家賃で貸してくれることに。しかし、最初は畳も床もボロボロの状態。シェアメイトの中里浩さんは、こう振り返る。

「一番マシだった部屋の畳を剥がすところから始めて、ひとまず1部屋だけ住める状態にしました。あとは住みながら、他の部屋、台所、水回りと整えていきました」
 

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

 

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

田舎では、不動産を介した賃貸契約ではなく、大家さんと直接やり取りをするケースも少なくない。その際、敷金礼金もない代わりに、現状の引き渡し&改修に伴う費用は借り主持ちということも。この物件の場合は、基本的に自己負担だが、「大きな改修が必要な時は大家さん持ち」との約束で、昨年は屋根の吹き替えと蔵の取り壊しを含む大規模リフォームを行ったそうだ。

「古い建物だから常にメンテナンスが必要。雨樋を取り替えたり、日々の改修は自分でやりますが、それも含めて古民家ぐらしの醍醐味です。歴史あるこの家は、自分が住まなくなっても続いてほしいですしね」

現代建築にはない「余白」と「手間」を楽しめる人にこそ、古民家暮らしはオススメなのだ。
 

(画像=男の隠れ家デジタルより引用)

【DATA】
間取り: 5DKの母屋+蔵+畑
メンテナンス: 屋根や床、畳など経年で劣化するものは、定期的なメンテナンスが必要。また、和式から洋式トイレに、など、住んでいて不便に感じる箇所は都度改良が求められる。畑、竹林、草刈りなど家の周囲の管理もかなりの手間。

地方で家を探すには?

物件探しのコツ

人口が少ない田舎では、不動産に出回る物件があまり豊富ではない。ぜひ活用したいのが、自治体が運営する空き家の仲介サービス『空き家バンク』だ。自治体ごとに利用法や内容が異なるため、移住検討エリアの情報を小まめにチェックしよう。また、持ち主が分かれば直接交渉や知人からの紹介という手も。地域での人脈作りこそ、希望の物件を見つける一番の近道といっても過言ではない。

借りるか、買うか

気軽な賃貸も、憧れのマイホームも、どちらも一長一短があるので好みの問題。ただ、移住と同時に家を購入するのは高リスク。まずは地域のことをよく知った上で土地探しをするのが望ましい。できればお試し的に賃貸で移住生活をした後、じっくり土地を探すと失敗がないだろう。ただし、田舎の場合、売買物件にも増して賃貸物件が乏しいケースも少なくない。

周辺環境の確認

自然豊かな土地での暮らしは、楽しみが多い分、都市生活にはない不便さやリスクも。土地や建物だけにとらわれず、時間帯や季節を変えて訪れ、周辺環境もしっかり確認しよう。山間地域では、日照時間の確認が重要。山の陰にあり、一日まったく陽が差さないという物件もある。台風や大雨、洪水、崖くずれ、塩害、冬の積雪や凍結など、一年を通してのリスクも要確認。

契約は慎重に

購入の際は、『市街化調整区域』かどうかの確認を。土地代が安いものの、商売が制限されている、住宅ローンの審査が通りにくいというデメリットがあるので注意が必要だ。また、不動産業者を介さず、持ち主と個人間売買をする場合は、司法書士や個人間売買専門の業者に仲介してもらうのがベター。賃貸の場合は、リフォームにまつわる費用負担の有無やその他ルールを契約前に確認を。

文・曽田夕紀子/提供元・男の隠れ家デジタル

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