今回のロレックス通信は久しぶりにアンティークについて取り上げたいと思う。と言ってもスポーツ系は現行モデルと同じく、価格的にはかなり遠い存在となってしまったため、高騰するロレックス市場のなかでも、まだ頑張れば手の届くデイトジャストで、初心者にもおすすめできる第3世代ついて紹介したい。

初めてのアンティークロレックスにおすすめのデイトジャストの第3世代はいまおいくら?|ロレックス通信 No.146
(画像=デイトジャストの第3世代。左はK18ホワイトゴールド製フルーテッドベゼル仕様のRef.1601で1971年製。右はステンレススチール製スムースベゼルのRef.1603で1970年製、『Watch LIFE NEWS』より引用)

 この第3世代はレファレンスでいうところの1600番台。製造期間は1959年から77年頃までと約18年というロングセラーとなったモデルだ。ではなぜ初心者にもおすすめできるのかというと、それより以前のレファレンスに比べると、搭載されている1500系と言われる自動巻きムーヴメントがとても優秀だからだ。

 この1500系だが、ムーヴメント自体は何と30年以上にわたって生産されている。つまり、設計変更する必要性を感じないほど、当時安定していてとても優秀だったことがうかがえる。しかも、ロレックスの自動巻きムーヴメントの基本設計を確立したムーヴメントという意味でも傑作と呼ばれる存在なのだ。

初めてのアンティークロレックスにおすすめのデイトジャストの第3世代はいまおいくら?|ロレックス通信 No.146
(画像=デイトジャストに搭載されたのは当初は毎時1万8000振動のCal.1565だったが1975年ごろからは毎時1万9800振動のCal.1575にスイッチ、『Watch LIFE NEWS』より引用)

 ゼンマイの巻き上げ効率を格段に向上させ、構造もシンプルで耐久性に優れた作りだけでなくトラブルも見つけやすく修理技術者からの評価も高い。そのため不具合も少なくアンティークウオッチのビギナーでも比較的に安心して楽しめるというわけだ。

 では、現在の実勢価格はいったいどれぐらいなのか、ざっと調べてみると人気のフーテッドベゼルタイプのコンビモデル、Ref.1601で40万円台半ばから60万円台といったところだ。一方のオールステンレスモデルのRef.1603だが、素材的に安いかと思いきや1601よりも目立って安いと感じるレベルではないようだ。

 この第3世代だが、いまでも現役で使用できる頑丈な作りとはいえ、狙う場合は多少高いかなぁ〜と感じたとしても、できるだけ高年式でコンデションの良い個体を選びたいところだ。

文・菊地 吉正/提供元・Watch LIFE NEWS

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