オメガを代表するクロノグラフモデルであり、人類史上初めて月面着陸に成功したアポロ11号ミッションに携行されたことから“ムーンウオッチ”としても有名なスピードマスター。実際に携行されたのは、左右非対称のケースを採用した第4世代にあたるスピードマスターだったが、今回取り上げているのは、それ以前の1962年に登場した第3世代である。
実はこの第3世代こそがNASAによる装備品テストに提出され認定を受けたモデルで、つまりいまでも語り継がれるスピードマスター伝説はここからスタートしたと言っても過言ではないのだ。
とりわけ、今回の個体はオリジナル性が極めて高い。何とベルト以外は生産時のオリジナルパーツを装備しているのである。例えば、タキメーターベゼル。リペアパーツに交換されてしまっている個体も多いなか、この個体の場合はオリジナルパーツのまま。両者の見た目はほぼ同じだが、タキメーター表示90とそのドットの位置関係を見ると、どちらなのかが判別できる。“ドット・オーバー90”とも呼ばれる、ドットが“90”の斜め上あたりにあるのがオリジナルだ。ちなみにこの仕様が現行モデルでも再現されているため、機会があればチェックしてみてほしい。さらに、リューズの場合はトップに刻印されたΩマークの形状からオリジナルか否かを見分けることが可能である。
なおクラウドファンディングサイトのWATCH MAKERS(ウオッチメーカーズ)では、現在、こうした希少なアンティーク・クロノグラフモデルをはじめ、クロノグラフの歴史や機構解説などを収録したスペシャルBOOK『Antique collection クロノグラフ大全 LowBEAT編集部』の先行予約を受け付け中。興味のある人はぜひチェックしてもらいたい。
文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修
提供元・Watch LIFE NEWS
【関連記事】
・【第4回-セイコー(プレザージュ&セイコー 5スポーツ)】3大国産時計の売れ筋モデルを調査、本当に売れた時計BEST3
・【1位〜5位まで一挙に紹介します】“タイムギア”読者が選んだ、欲しい腕時計ランキングTOP10-後編
・進化したエル・プリメロを搭載したゼニスの意欲作、“クロノマスター スポーツ”が登場
・菊地の【ロレックス】通信 No.078|小振りで着けやすいベーシックな旧エアキング
・アンティークの無名クロノグラフって知ってますか?