サムスン電子が4ナノファウンドリ(システム半導体委託生産)工程の最大顧客企業だったクアルコムを逃したという外信報道が出た。韓国メディア「BUSINESS POST」が報じた。(写真:クアルコムのAPスナップドラゴン8イメージ=Gizmochina)

クアルコムがTSMCに移れば、5ナノ以下の先端工程でサムスン電子とTSMCのシェア格差はさらに広がるものと予想される。

中国ITメディアのギズモチャイナは8日、有名チップスター(情報流出者)であるデジタルチャットステーションの言及を引用して「クアルコムの新しいモバイルプロセッサー(AP)であるスナップドラゴン8第2世代はSM8550モデル番号を受け取り、今年末に発表される予定」とし「チップ製造は台湾TSMCの4ナノ工程で行われる」と報道した。

クアルコムは今年初めに発売されたモバイルプロセッサーであるスナップドラゴン8(第1世代)の生産をサムスン電子の4ナノ工程に任せた。しかし、アップグレードモデルのスナップドラゴン8(第1世代+)はTSMCに任せた。

サムスン電子のファウンドリは、クアルコムが望むレベルの歩留まり(完全品で良品が占める割合)達成に失敗し、これが製品販売の不振につながったという。

サムスン電子のファウンドリ事業部はその後、「4ナノの歩留まり改善に焦点を合わせてきており、事業初期よりは歩留まりをある程度引き上げた」と明らかにした。

サムスン電子ファウンドリ事業部のカン・ムンス副社長は4月28日のカンファレンスコールで「4ナノは初期歩留まり向上が多少遅れたが、現在は計画した歩留まり向上区間に進入した」と話した。

しかし、サムスン電子が4ナノ歩留まりを一定部分改善したにもかかわらず、クアルコムは次世代APをTSMCに任せた方が安定的に製品を確保するのに有利だと判断したものと分析される。

TSMCの4ナノ工程の歩留まりは70%台まで上がったという。

クアルコムが4ナノ工程をサムスン電子に任せなければ、サムスン電子ファウンドリ事業部の4ナノ工程顧客社はAPエクシノスを開発するサムスン電子システムLSI事業部しか残らなくなる。

アップルのA16バイオニックチップとNVIDIAのグラフィックチップ(GPU)H100も、いずれもTSMCの4ナノ工程で製造される。

クアルコムのスナップドラゴン8第2世代は「スナップドラゴンX70」という次世代5Gモデムが統合されたシステムオンチップ(SoC)だ。

CPU(中央プロセッサー)は従来通り1つの最高性能コア、3つの高性能コア、4つの低電力コアが搭載される。スナップドラゴンX70は、5Gネットワークで最大10Gbpsダウンロード速度を採用することになる。

海外ITメディアガジェットテンダンシーは「2023年に発売されるサムスン電子、OPPO、シャオミ、VIVOなどの最高級スマートフォンにクアルコムスナップドラゴン8第2世代が採用されるだろう」と見通した。

提供元・コリア・エレクトロニクス

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