見た目の重厚感、他メーカーにはない豪華な雰囲気、さらにヒストリーなど、ロールスロイスには特別なイメージが付いています。実際に乗ったことがあるという人は、なかなかいないでしょう。今回はロールスロイスに搭載される前代未聞のミッションについてご紹介します。

目次
ただならぬ雰囲気を持つロールスロイス
衛星とリンクするミッション

ただならぬ雰囲気を持つロールスロイス

なぜ、ロールスロイスのミッションは衛星によって管理されているのか?
(画像=『CarMe』より引用)

ロールス ロイスは、1906年にイギリスで設立されたメーカーですが、その自動車部門は2017年現在、BMWグループのブランドとなっています。

ロールスロイスといえばパルテノン神殿をモチーフにしたパルテノングリルがアイデンティティとなっており、同時に他にはない豪華さと重厚感を演出しています。

車名は、ゴーストやファントム、シルバーレイスなど、霊に関する一風変わったものを採用していますが、静粛性の高いエンジンが幽霊のようにその存在を感じさせないことに例えたといわれています。

現在は、EVやハイブリッドなど静かな車は珍しくありませんが、当時は並外れた静かさを実現していたのがロールスロイスなのです。

その一方で、車の王様の異名を持つロールスロイスは、一般的な車とはあらゆる点で異なっています。

その一つがトランスミッションです。ゴーストやレイスに搭載されているこのミッションは、「SAT(サテライト・エイディッド・トランスミッション)」と呼ばれるもので、これまでに類を見ない珍しい変速システムを採用しているのです。

衛星とリンクするミッション

なぜ、ロールスロイスのミッションは衛星によって管理されているのか?
(画像=『CarMe』より引用)

その基本となるのは、衛星との連携です。具体的には、宇宙に浮かぶGPS衛星とリンクするとともに、ドライバーの動きを予測してトランスミッションが自動でギアポジションを決めるというものです。では、衛星とリンクすることでトランスミッションに、どんなメリットが生まれるのでしょうか?

一般的な車のオートマチックミッションは、車速やエンジンの回転に応じて変速するというのが一般的です。つまりその時々の状況によって、ミッションが最適なギアを選択してくれるというものです。ところが、SATの場合は、地図情報とドライバーの傾向から先を予測し、ギアチェンジを行います。

そうすることで、コーナーなどの減速ポイントではシフトダウンを行い、より自然かつシームレスな乗り心地を実現します。コーナーでは減速する一方、直線道路では高いギアを維持するようになっています。

また、SATの変速は意識することなく自然に行われるため、運転中にシステムの作動に気づくことはありません。