私が社会人になった1980年代後半は、大学を卒業したら大手企業に勤務して、定年まで勤めあげるのが当たり前でした。
しかし、そのような「大企業で終身雇用がデフォルト」という価値観はすでに崩壊しています。若者だけではなく、40代、50代でも大企業をあっさりとやめて、自分で起業する人が次々と出てきています。
能力の高い人の方が、チャレンジする傾向が強いように見えます。
そんな起業することによって、得られることと失うことがあります。

得られるのは、何と言っても時間の自由です。平日の朝から晩まで時間に縛られる生活から解放され、自分のペースで仕事をすることができます。
平日にゆっくり休んで、休日にがっつり仕事をしたり、日中寝ていて夜になって気が向いたら仕事をすることも可能です。
平日に観光地に行けば、休日は大行列の場所でもガラガラです。ホテルや旅館も安い価格で簡単に予約が取れ、サービスも良かったりします。休みの日に混雑している観光地に行くのが本当に馬鹿らしくなります。
時間の自由こそ、自分で仕事をする人の最大のメリットだと思います。
一方で、大企業を離れて失うものもあります。一番は、お金の自由です。
仕事が安定するまでは、収入が減ることも珍しくなく、定期的な給料はもうありません。来月いくら稼げるかわからない生活というのは、慣れるまでは落ち着かないものです。
それ以上に、大企業を離れて失うものは、「お金を借りる力」です。会社員なら、1億円以上簡単に借りられる人も珍しくありません。ところが、会社を辞めた瞬間から1円も借りられなくなる。これは、結構衝撃的なことです。
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金融機関は本人の能力ではなく、その人の肩書に借していることがよくわかります。
いずれ、事業が軌道に乗れば、サラリーマン時代とは比べものにならないくらいお金は借りられるようになります。
ただ、それまでには時間が必要です。だから、会社を辞めるなら、その前にお金を借りられるだけ借りた方が良いのです。
起業して失うものより得るものの方が大きい。だから、リスクは取った方が良い場合が多いと思います。でも、辞める前にやっておくべき事は、しっかりやっておきましょう。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2019年12月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。
文・内藤 忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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