JATA(日本旅行業協会)は、旅行会社が海外企画旅行の実施を検討する際の判断基準として、「新型コロナウイルス感染症に関する外務省海外安全情報への対応と考え方」を定めた。4月から106カ国・地域で感染症危険情報がレベル3「渡航中止勧告」からレベル2「不要不急の渡航は止めてください」に引き下げられ、規制緩和が進んでいることへの措置。これまでは危険情報への基準のみで、感染症危険情報については別途設けていなかったが、観光庁・外務省との協議により策定した。

 具体的には、レベル2で海外旅行運用手引書に基づいた感染防止対策など適切な対応を講じることができる場合、旅行者に「感染防止対策等を十分説明したうえで旅行を実施する」こととした。ただし、急激な感染拡大やロックダウン(都市封鎖)など、適切な対応を講じることができない場合は旅行を中止する。治安情勢などに基づく危険情報への対応では、多くの旅行会社がレベル2で企画旅行を原則中止していた。すでに一部大手などは現地受け入れ体制の確認や整備により、ハワイツアーを再開していたが、感染症危険情報への判断基準ができることで企画旅行が実施しやすくなる。

 海外旅行運用手引書は、旅行業の新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づき、JATAが具体的な運用を補足したもの。このほど現状に合わせて改定し、海外教育旅行の手引きも作成した。

提供元・トラベルジャーナル

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