興味を持っていても始めるのに躊躇する人は、意外と多いというピラティス。
いきなりマニュアル通りのレッスンを始めると 「こんなキツい時間が永遠に続くの?」 となる場合も…。
そこで今回も、ピラティスのマスタートレーナー、菅原順二 さんにレクチャーいただきながら
ピラティスインストラクターの資格も持つ、Shieca さんとともに学んでいきましょう。
プレピラティス とは?
菅原
ジョセフ・ピラティスさん( 前回記事参照 )の弟子にイブ・ジェントリーさんという方がいますが、彼女は
師匠に教わったことを持ち帰り、地元のおじいちゃん、おばあちゃんに教えようとしたけれど「体が痛いからできない」と。
それで彼女が考えたのが「プレピラティス」というメソッドなんです。
シエカ
その時の状態に合った手段や動き、ピラティスのスタイルを選び、体と生活になじませていくことが理想ですよね。
悩みを打破しようと思って動いていたら、結果的にそれがピラティスっぽい動きだったということもありますし。
私の場合は、「ヒップエスカレーター」の動きを毎日やると、見極めにもなりますしすごく調子がいいですね。
菅原
ピラティスっぽい動きを簡単に言うとすれば「背骨がポイント」ということになるのかな。
ピラティスって流動的なんですよ。
リズムがあり、フローがあり、滑らかさがある。
シエカ
不思議なんですが、ピラティスを続けているほとんどの人が「調子がよくなりました」と言います。
なぜでしょうね。
菅原
受け入れる範囲が広いからでしょう。
例えば、筋力が弱い人は筋力を強くするために、柔軟性がない人は柔軟性を上げるように持っていけるし、
体のコントロール力を上げたいという人にもハマる。
もちろん万能ではないけれど、教える側の僕も使いやすいですね。
ピラティスを軸に置くと、もっとウエイトが必要だなという人にはケトルを持ってもらったり、
フィットネスが足りない人には走ってもらったり。
体の可能性を広げるための〝基点〟にしやすいですね。
マスタートレーナー菅原順二さんのピラティスレッスン 〜Part.1〜 プレピラティスから始めてみましょう
ピラティスの入門編として、またピラティス実施前のウォーミングアップとして行われるプレピラティス。
身体と対話するように続けていると、左右差やゆがみなどを繊細に感じ取れるようになります。
★ヒップエスカレーター
1. 仰向けになり両膝を曲げる。
両腕は手のひらを下にして体の両脇に置き、息を吸う。
2. 息を吐きながら、骨盤→下背部→中 背部→上背部の順にゆっくり持ち上げ床からはがしていく。
スプーンですくい上げるイメージで。
3. 横から見て肩から骨盤、太もも、膝までが一直線になるよう体幹を持ち上げたら、
息を吸い、吐きながらゆっくり下ろしていく。
★ヘッドロールアップ
1. 仰向けになり両膝を曲げ、両手を脚の付け根に置く。
背骨の上下への伸びを意識し、息を吸う。
2. 息を吐きながら 頭→肩→背骨の順にゆっくり持ち上げていく。
背骨上部からはがしていくイメージで。
続けて息を吸いながらゆっくり 1 の姿勢に戻る。
POINT
★いずれの動作においても「背骨」を意識すること!
★背骨が上下2方向にストレッチされている2WAYストレッチが姿勢の基本であり、強い体幹になる。
シエカ
1979年生まれ。
フィットネスライフコーディネーター/フィットネストレーナー/ ReebokONEアンバサダー。
運動経験ゼロであったが、体型の崩れをきっかけに2007年、27歳で筋力トレーニングを開始。
JBBFボディフィットネスに出場し、東京・関東(初代)・東日本(初代)大会チャンピオンとなる。
2010年に全日本大会準優勝、11年東アジア選手権代表に選出。
実体験も交えながら、トレーニングや食事など日々のケアを提案する活動を展開中。
菅原順二
1978年10月28日、東京都出身。
全米公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト(NSCA-CSCS)/ Body Element Pilates マスタートレー ナー/トレーニングスタジオ アランチャ 代表。
法政大学ラグビー部でプレー後、単身ニュージーランドへ渡りNZISに入学、トレーニング学などを学ぶ。
帰国後ピラティスと出合い、マスタートレー ナーの資格を取得。
パーソナルトレー ナーとしてラグビー選手、プロ野球選手などトップアスリートを指導するかたわら、全国を周りピラティス、マスターストレッチ、ボディキー、呼吸法などをレクチャーしている。
Yoga&Fitness Vol.04掲載
取材、文・藤村幸代、撮影・中原義史/提供元・FITNESS LOVE
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