急成長を遂げていながらも競争が激化しているのが「Qコマース」だ。「Qコマース」とは、「Quick Commerce、即時配達」を意味しており、主に食品や日用品を中心に、注文から最短で30分で配達できる電子商取引サービスのことだ。「Eコマース」との大きな違いは配達速度で、一般的に翌日配達の「Eコマース」に対して、「Qコマース」はアルゴリズムや効率的なオペレーションによって注文から最短で30分から90分での配達を実現している。
日本では、Uber Eats(ウーバーイーツ)や出前館、Wolt(ウォルト)といったプレーヤーが参入しており、利用者も急増している。提携する企業やブランドも増えており、会員制倉庫型店の「コストコ(Costco)」やイオンなどのスーパーマーケット、ドラッグストアなども「Qコマース」による商品の配達を開始している。Woltは「コストコ」の商品の取り扱いを開始しており、北海道の石狩倉庫店や兵庫県の尼崎倉庫店、神奈川県の川崎倉庫店などでサービスを展開している。生鮮食品や飲料、日用品など約1600品目を取り扱い、各倉庫店から約15キロメートル圏内のエリアを対象に最短で90分で届ける。さらにWoltは「ラッシュ(LUSH)」といった化粧品ブランドや「イケア(IKEA)」といったホームインテリア・ブランドとも提携し「Qコマース」によるサービスを提供している。「イケア」は、スウェーデンの伝統的なティータイムのfika(フィーカ)を楽しめるシナモンロール&ワッフルセットやスウェーデンミートボール、サーモンマリネといったフードメニューが注文できる。まずは「イケア」の原宿店、仙台店、新宿店、仙台店でのサービスの提供で、対象エリア内からの注文に対して最短で30分前後で配達する。
一方で、「Qコマース」の競争は凄まじく、中国発のDiDi food(ディディフード)を運営するDiDiフードジャパンは5月末でサービス提供を終了し、ドイツ発のfoodpanda(フードパンダ)を手掛けるデリバリーヒーローも1月に日本事業から撤退している。コロナ禍によるイエナカ需要で急成長した「Qコマース」だが、今後も拡大していき「Eコマース」と同様に定着するだろうか。さらには、テクノロジーの進化によって「E」や「Q」とは異なる新たなコマースが登場するのかどうか、今後も注目したい。
文・セブツー編集部/提供元・SEVENTIE TWO
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