A.フレデリック・コンスタントのスリムライン モノリシック マニュファクチュール
時計の振動数は、機械式時計の心臓部にある車輪のようなパーツのテンプが1秒間に何回往復したかを表す値である。そしてこの振動数が高ければ高いほど高精度で安定する。詳しくは同企画のQ41で詳しく紹介しているためそちらも参照してほしい。
では市販で売られている腕時計のなかで、いちばん振動数が高いものとは何か。

現代の一般的な機械式時計の振動数は主に、毎時2万1600振動、毎時2万5200振動、毎時2万8800振動、そして毎時3万6000振動。
だが2021年にフレデリック・コンスタントが発表した“スリムライン モノリシック マニュファクチュール”は、一般的な時計の振動数の10倍という毎時28万8000振動(1秒間に80回)という驚くべき数値を叩きだした。
これはテンプとアンクルによって構成されている従来の脱進器に変わって、独自のシリコン一体型オシレーターによって高振動化を実現したものである。
なお振動数の数値だけで選ぶと12年にタグ・ホイヤーがコンセプトモデルとして発表した“マイクロガーダー”が何んと毎時720万振動を実現。それによって通常1分で1回転するクロノグラフ秒針が1秒間に20回まわるという、機械式ながら2000分の1秒という驚異的な速さでの計測を可能とした。ただし、これの場合はクロノグラフ計測に伴う振動数であって、時計としての振動数は一般的な毎時2万8800振動だった。
<参考文献>
・タグ・ホイヤーの<マイクロガーダー>が「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ エギーユ・ドール」を受賞 –
文◎松本由紀(編集部)
提供元・Watch LIFE NEWS
【関連記事】
・【第4回-セイコー(プレザージュ&セイコー 5スポーツ)】3大国産時計の売れ筋モデルを調査、本当に売れた時計BEST3
・【1位〜5位まで一挙に紹介します】“タイムギア”読者が選んだ、欲しい腕時計ランキングTOP10-後編
・進化したエル・プリメロを搭載したゼニスの意欲作、“クロノマスター スポーツ”が登場
・菊地の【ロレックス】通信 No.078|小振りで着けやすいベーシックな旧エアキング
・アンティークの無名クロノグラフって知ってますか?