近年、脚式ロボットの性能は大きく向上しており、さまざまな地形に対応しつつあります。

この傾向は宇宙空間にも徐々に適用されていくかもしれません。

スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHZ)に所属するニキータ・ルーディン氏ら研究チームは、小惑星上をジャンプしながら移動する四足歩行ロボット「SpaceBok」を開発中です。

論文によると、低重力環境では四足歩行によって高い安定感が得られるというのです。

研究の詳細は、6月14日付の科学誌『IEEE Transactions on Robotics』に掲載されました。

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四足歩行ロボットが小惑星上を飛び跳ねる

四足歩行ロボットが小惑星上を飛び跳ねる

低重力でも「脚をジタバタさせて」移動できる四足歩行ロボットが開発中
(画像=4足歩行ロボット「SpaceBok」 / Credit:SpaceBok(ETHZ),『ナゾロジー』より 引用)

現在、月や火星を探索するロボットのほとんどは車輪で移動します。

しかし宇宙空間にはもっと多くの探索場所があり、そこで問題になるのが低重力環境です。

低重力環境では車輪と地面の間に生じる摩擦力が低下するため、車輪がうまく回転しづらいのです。

そこで研究チームが注目したのは、四足歩行の脚式ロボットです。

脚式ロボットであれば、低重力を利用して高くジャンプし、効率よく移動可能。また高重力下では移動の妨げとなる大きな障害物も難なく乗り越えられるでしょう。

しかし低重力環境ではジャンプによる滞空時間が長くなり、その分バランスをとるのが難しくなります。

接地時間も短くなるため、ジャンプの瞬間のちょっとした乱れでロボットが反転してしまうかもしれません。

この問題をどのように解決するのでしょうか?