現行同様、アンティークでも圧倒的な人気を誇っているのがロレックスのデイトナだ。  このモデルが誕生するのは1963年のことだが、それ以前にもロレックスは数は多くないものの様々なクロノグラフモデルを展開している。そのひとつが50年代に製造されたRef.6034だ。このモデルはデイトナのようにスポーティなデザインではないが、バルジュー社のムーヴメント(Cal.72)を搭載するなど、後のデイトナにも通ずるいくつかのディテールを備えている。

【アンティーク時計傑作選】デイトナへのプロローグとなったエポックメイキングな1本
(画像=笠井 修、『Watch LIFE NEWS』より引用)

Ref.6034。SS(35.5㎜径)。手巻き(Cal.Valjoux72)。1950年代製。参考商品

 現存数が少ないため非常に珍しいモデルだが、この個体は初期モデルだけの仕様である“スーパーオイスター”の2ピースケースを採用していることに注目したい。このスーパーオイスターとは、ネジ込み式のリューズではなく、パッキンを用いることでリューズからの浸水を防ぐという当時では画期的な防水対策がなされているものだ。

【アンティーク時計傑作選】デイトナへのプロローグとなったエポックメイキングな1本
(画像=笠井 修、『Watch LIFE NEWS』より引用)

2ピースケースの“スーパーオイスター”仕様。リューズがネジ込み式ではないのが特徴だ。50年代ロレックスを象徴するケースといえよう

 2色に色分けされたインナースケールを備えるなど、デイトナとはまた違った雰囲気も魅力で、登場間もなく生産終了となったことから、希少価値が高く、いまではコレクターズアイテムとなっている。

 なおクラウドファンディングサイトのWATCH MAKERS(ウオッチメーカーズ)では、現在、こうした希少なアンティーク・クロノグラフモデルをはじめ、クロノグラフの歴史や機構解説などを収録したスペシャルBOOK『Antique collection クロノグラフ大全 LowBEAT編集部』の先行予約を受け付け中。興味のある人はぜひチェックしてもらいたい。

ウオッチメーカーズ

【アンティーク時計傑作選】デイトナへのプロローグとなったエポックメイキングな1本
(画像=笠井 修、『Watch LIFE NEWS』より引用)

文・堀内大輔(編集部/提供元・Watch LIFE NEWS

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