西友と楽天グループは、2018年10月から「楽天西友ネットスーパー」の協働運営を本格的に開始し、今年4月からOMO(Online Merges with Offline)分野で提携を強化した。楽天西友ネットスーパーの愛用者、自宅や勤務先オフィス近くなどの使いやすい立地に西友・リヴィン・サニー(以下、西友)の店舗がある人、楽天ポイントをためるためなら、わざわざ遠方の西友の店舗に出向いてもいい人には恩恵の大きい取り組みとなる。

楽天と西友 これまでの取り組みまとめ 楽天経済圏が変わる
(画像=月26日から西友やサニーで楽天ポイントがたまる・使えるように,『BCN+R』より 引用)

 西友の店舗では、スマートフォン決済サービスの「楽天ペイ(アプリ決済)」を20年12月に導入済み。4月5日から電子マネーの「楽天Edy」も利用可能になり、独自のカードデザインの「楽天カード 西友デザイン」の発行・申込受付も4月から開始した。

楽天と西友 これまでの取り組みまとめ 楽天経済圏が変わる
(画像=西友の店舗で配布していた西友デザインの楽天Edyカード(左)と楽天ポイントカード,『BCN+R』より 引用)

 先行して21年11月には、来店するだけでポイントがもらえる「楽天チェック」を導入していた。4月26日からは、会計時に楽天ポイントカードを提示すると楽天ポイントがたまる楽天ポイントカードのサービスも導入。西友の店舗で楽天のキャッシュレス決済サービス(楽天Edy・楽天カード・楽天ペイ)で支払うと、楽天ポイントがダブルでたまり、小銭を消費するため現金で支払う場合でも、楽天ポイントカードの提示で楽天ポイントがたまるようになった。

楽天と西友 これまでの取り組みまとめ 楽天経済圏が変わる
(画像=楽天西友ネットスーパーアプリは、楽天ポイントカード・楽天ペイ(アプリ決済)の決済機能を追加。リアルとネット(オンライン)の連携を強化する,『BCN+R』より 引用)

 従来の「楽天西友ネットスーパーアプリ」は、ポイントカードサービス導入にあわせ、「楽天西友アプリ」にリニューアル。この楽天西友アプリのリリースを記念し、リアル店舗の利用で300ポイント、ネットスーパーの利用で300ポイントの合計600ポイントをプレゼントする「楽天西友アプリダウンロード&初めてのご利用で最大600ポイントプレゼント」キャンペーンを実施中だ。ただし、楽天西友ネットスーパーはエリア限定サービスのため、自宅や実家など利用したい配送先がエリア外の場合は登録できない。

楽天と西友 これまでの取り組みまとめ 楽天経済圏が変わる
(画像=楽天西友アプリリリース記念キャンペーンも実施中。他にも楽天ポイントが通常よりたまるお得なキャンペーンを同時開催している,『BCN+R』より 引用)

 今回の取り組みによって、西友は国内で最大規模の楽天ポイントがたまる・使えるスーパーに躍り出たという(楽天ポイントカード サービス対象店舗は22年4月26日時点で328店舗)。しかし、OMOを打ち出しつつも、各施策には高齢者を中心としたリアル店舗の”西友ファン”を、楽天カードをはじめとする楽天経済圏に取り込みたい意図がうかがえる。

楽天と西友 これまでの取り組みまとめ 楽天経済圏が変わる
(画像= 楽天グループの三木谷浩史会長は、通貨を一切使用しない「ゼロキャッシュ」を起点とした全産業のDX推進を提言する(2022年4月14日開催「第4回 デジタル社会構想会議」配布資料より),『BCN+R』より 引用)

 第4のキャリア・楽天モバイルは、20代以下の若い世代に楽天の各サービスに興味を持ってもらうための投資であり、その点では成功を収めたと記者は考えている。その次の一手である、西友との連携。リアル・オンラインで相互に使える共通ポイントサービスと、その共通ポイントと強く結びついたキャッシュレス決済サービスが「駅前などの立ち寄りやすい場所にある庶民のスーパー」でどこまで受け入れられるか注目だ。(BCN・嵯峨野 芙美)

提供元・BCN+R

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