飲食店経営者にとっては、厳しい経営環境が続いていますが、その対応は大きく3つに分かれているように見えます。

1つ目のタイプは、政府や自治体の支援を要求し、死活問題だと騒いでいる人です。自分がすべての意思決定ができる経営者なのに、うまくいかなくなると環境のせいにする「他責の人」です。開業直後や店舗拡大などタイミングが悪かった場合もあるでしょうが、まずは自助努力から黙々と進めるのがあるべき姿ではないでしょうか。

2つ目のタイプは、営業自粛や営業時間の短縮要請の中で、テイクアウトやデリバリーなどを工夫して、何とかこの逆境をしのいでいこうという経営者です。スタッフの健康を最優先して、思い切って店舗の営業を当面ストップさせる判断をしている経営者もいます。どの経営者も、何とか生き残ろうと必死に知恵を絞って動いています。

そして3つ目のタイプは、コロナショックのマイナスを前向きに捉えて、ビジネスモデルを急速に転換して、このピンチを史上最大のチャンスにしようとしている人たちです。

私の知り合いの飲食店経営者は、大変な時代とは「大変=大きく変わる」ことだと考えています。そこで、店舗での飲食経営から、テイクアウト、オードブル、デリバリーに大きく舵を切りました。何とか生き残るという後ろ向きな動きではなく、地域ナンバーワンのデリバリー飲食店に成長させるという攻めの経営です。

業態を変えていくのは、簡単ではないかもしれません。

しかし、リーダーとは今回のような困難な状況で弱音を吐いたり、責任転嫁をして逃げだすのではなく、自らを奮い立たせ、一緒に仕事をしているメンバーのモチベーションを高め、危機を好機に変えていく存在であるべきです。

自分が社員だとして、3つのタイプの中で、どのリーダーについていきたいかと聞かれれば、答えは明らかです。

逆境になればなるほど、闘志を燃やしそれを正面突破しようとする経営者。アプローチ方法は異なるかもしれませんが、そのマインドセットを見習いたいと思います。

飲食店経営:逆境で見えてくる「ついていきたいリーダー」
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年4月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

文・内藤 忍/提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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