
いよいよゴールデンウィークに突入! みなさんはどのように過ごされるのだろうか。と言ってもまだまだコロナ禍で油断ができない状況には変わらないため、近場でぶらっとするぐらいという人は意外に多いのでは。かくいう筆者もそのクチである。
さて、144回の今回は、前回同様に筆者が刊行する時計専門誌“パワーウオッチ”のバックナンバーを見ていた時に、いまから13年前の2009年に刊行された号に掲載されていたちょっと珍しいモデルを取り上げたいと思う。

これは、ロレックスが独自開発した防水ケースこと“オイスターケース”の誕生50周年を記念して1976年に発表されたというオイスターパーペチュアルデイトだ。ただおもしろいことに、全体のデザインがオイスターパーペチュアルデイトというよりは、同年代に開発されたデイトジャストのクォーツムーヴメントを搭載したモデル“オイスタークォーツ(後半の写真参照)”にそっくりなのである。
オイスタークォーツがどんなモデルなのかについては、当連載の87回で取り上げているため詳しくはそちらを読んでもらいたいが、実は、ロレックスが独自にクォーツムーヴメントを開発し、それを搭載したデイトジャストを展開したのは77年と言われている。おそらくは同じデイトジャスト名であっても自動巻きモデルとの区別が外見からも見分けがつくようにオイスタークォーツ用にオイスターケース自体も新しく作られたと思われる。
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自動巻きモデルは現在のように丸みを帯びたラウンドケースなのに対して、クォーツモデルは直線的に仕上げられており、最近話題のラグスポ風スタイルというのが特徴だった。この直線的なケースが採用されたのはデイトジャストのほかにデイデイトのクォーツモデルだけで、もちろん当時のオイスターパーペチュアルには存在しなかった仕様なのである。
つまり、オイスターケース誕生50周年として、当時最新だったオイスタークォーツ用のこのケースが自動巻きながら特別にオイスターパーペチュアルに採用され、記念モデルとして発表されたということなのだろう。
なお余談だが、記事前半最初の写真をご覧いただきたい。12時位置のモデル名に出てくる「OYSTER PERPETUAL
DATE(オイスターパーペチュアルデイト)」の“オイスター”とは前述したとおりロレックスが開発した「防水ケース」のことであり、“パーペチュアル”とは「自動巻き」を意味する。つまり防水ケースを使った自動巻きモデルだということがわかる。
一方の上の写真の「OYSTER QUARTZ(オイスタークォーツ)」は、防水ケースを使ったクォーツモデルとなる。ちなみに当時の手巻きモデルの場合はパーペチュアルをとった「OYSTER
DATE(オイスターデイト)」だ。現在のように自動巻きだけでなく、手巻きやクォーツモデルなども存在した時代は、このようにコレクション名からも見分けられるようになっていたというわけだ。
提供元・Watch LIFE NEWS
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