減量にはさまざまな方法があり、自分にどれが適しているか試してみるまで分からない。それでも、どの方法を試すかを選ぶ際に、少しでも減量についての知識があれば、無数にある減量法をふるいにかけ、絞っていくことができるはずだ。「難しいことは分からないし、科学とか解剖学は苦手だ……」そう言いたくなるのも分かる。しかし、せめて体について基本的なことを理解し、減量することで体の中で何が起こっているのかという理屈ぐらいは知っておいたほうがいいはずだ。なぜなら、基本的なことだけでも理解しておけば、減量中に壁にぶつかったときや微調整が必要になったときに、冷静かつ正しく対処することができるからだ。そして、それこそが減量をゴールに導くことになるのである。
誰にでも共通する体の働き
体に備わっている機能は皆同じかもしれないが、能力については個人差がある。能力に個人差があることを理解した上で、まずは共通した働き、役割、反応を確認しておこう。
喉が渇いた感覚と空腹感の違い
実は「喉の渇き」と「空腹感」については混同してしまうことが多い。これは誰もがそうなのであり、特別なことではない。しかし、だとすればこれを逆手に取ることができる。つまり、空腹だと感じたら、まずは水を飲んでみる。水を飲むことで空腹感が消える可能性は高いのだ。これは減量期間中に食事制限をしているときに役立つことである。
夜間の食事
夜はできるだけ小食にしたほうがいい。夜間に高カロリー食を食べてしまうと、消費されないうちに寝ることになるので、寝ている間に不要なカロリーが脂肪細胞に貯蔵されやすいのだ。たとえ食べる量を制限したとしても、食べてから寝るまでの間隔が短ければ同じことだ。
極端なことはしない
強制的に何かをしようとすると、たいていはうまくいかないものだ。減量についても同様である。極端に食事量を減らしたりすると、体はそれを緊急事態だと判断し、できるだけ消費カロリーを節約しようとする。そうなると体温が落ち、代謝が落ち、限られた食事からできるだけカロリーを温存しようとするのだ。食事制限をしているだけなのに体は飢餓状態だと判断するため、このような防御反応が働いてしまうのである。当然のことながら、減量中にこの防御反応が働いてしまうのはマイナスだ。以上の事柄は誰にでも共通して起こることだ。共通項はまだたくさんあるので、ぜひ体の機能に興味を持って情報を集めてみよう。