半導体新技術装備の導入遅延で8インチ半導体に対する需要が増加している。8インチ半導体は活発な設備投資で2024年までに生産量が21%増大するものと予想される。ただ、8インチファウンドリ露光工程に活用されるフォトレジスト需給に支障が生じ、業界の悩みは深まるものと見られる。韓国メディア「毎日日報」が報じた。(写真:半導体ウェハー=聯合ニュース)

24日、業界によると、これまで半導体ウェハー(円形版)は6インチから8インチ、12インチ、15インチまで絶えず進化してきた。ウェハーが大きくなるほど、より多くのチップを生産でき、原価競争力が高まるからだ。サムスン電子とTSMCはすでに2010年前後に12インチウェハー生産体制への転換を終えた状態だ。

一方、SKハイニックスは昨年、8インチファウンドリ(委託生産)企業であるキーファウンドリを買収し、8インチウェハー生産増大を選んだ。また、8インチファウンドリ会社のDBハイテックが昨年に四半期最高業績を上げるなど、8インチ技術は驚くべき「逆走」をしている。

8インチ半導体は主に電子機器に必要な電力を供給する電源管理集積回路(PMIC)、電子機器で頭脳の役割を担うマイクロコントローラユニット(MCU)、ディスプレイ駆動に必要なディスプレイ駆動チップ(DDI)の生産などに使われる。家電製品、スマートフォン、自動車産業の発達により、これらチップへの需要が急激に増加し、8インチ半導体は持続的な不足状態に置かれている。

これに対し、全世界の8インチ製造企業は2024年まで設備投資に積極的に乗り出している。国際半導体装備材料協会(SEMI)は「今年8インチのファブ装備に対する投資規模が49億ドル(約6兆600億ウォン、約6295億円)で高い水準を維持する」と予測している。

しかし、フォトレジストの韓国内での備蓄量が目安の3ヵ月分を割り込み、確保に赤信号が灯った。フォトレジストは半導体製造の第一段階である露光工程に必要な素材だ。旧式工程用フォトレジストは8インチファウンドリで露光工程に活用される。

さらにフッ化クリプトンの需給状況も良くないという。フッ化クリプトンは、サムスン電子とSKハイニックスが強みを持つ3次元(3D)NAND型フラッシュの製造にも使われ、メモリ半導体にも欠かせない必須素材だ。

現在、韓国内輸入旧式工程用フォトレジストのうち、日本産の割合は80%に達する。業界関係者は「生産が可能な韓国国内メーカーが供給数量を増やしているが、需要が増加する速度に追いついていないのが実情」と伝えた。

参考記事:脱日本を宣言した韓国「素材・部品・装備」業界、この2年で何が起こったか
参考記事:韓国企業、日本から全量輸入していたフォトレジスト用原料の国産化に成功
参考記事:ETRI、ディスプレイ用の低温フォトレジストを世界で初めて商用化

提供元・コリア・エレクトロニクス

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